Classic Cleanersを訪問してきました

みなさん、こんにちは。

アメリカに来ております。私のFacebookページをご覧の皆さんは私がどこにいるのか大体ご存知だと思います。今回はペンシルベニア州のCarlisleという街を訪問しました。ここを訪問した理由はClassic Cleanersという会社を訪問するためでした。そこで皆さんに今回はこのクリーニング店を紹介したいと思います。

 

普通にお店を見てみるとなんの変哲もない雰囲気なのですが、人口5万人程度の小さな街で立派な売上を上げております。実際にビジネスの内容を教えてもらうと面白いことをいくつもやっていることがわかります。実際に彼らはこれだけのビジネスを展開しておりました。

ドライクリーニング・ランドリーサービス(これは誰もが普通にやっています)

ファイヤーレストレーション(聞いたことないですよね?)

ウェディングドレスサービス(日本では全然高値で取引できないモデル)

コインランドリー(これは日本でもおなじみ)

ウォッシュ&フォールド(最近、日本で注目されているモデル)

5種類ものビジネスをやっているのです。その中でも特に面白いのがファイヤーレストレーションというビジネスです。皆さんはこの意味、分かりますか?

ファイヤーレストレーションというのは火事などで洋服が煙を吸ってしまい臭いが取れなくなってしまった場合に適用されるクリーニングサービスです。火事だけではありません。水害によって洋服が水浸しになった場合でもこのサービスが有効となります。故に保険会社との取引が多くなるわけですが、彼らの場合はCRDNというグループに属しているのでその本部からノウハウを学んでサポートしているわけです。実際にCRDNの本部からテリトリーもしっかり与えられているので、その地域内の事故については全部このお店に案件がやってくる仕組みとなっているわけです。

どのようにクリーニングをしているのか?については彼らのノウハウなので残念ですが公開できません。ただオゾンを使っているようですね。料金は保険の補償になるので全くディスカウントする必要がない、これはとてもうれしいビジネスです。

本業であるクリーニング業も忙しくしているようです。ワイシャツは毎日2000枚以上を集めますが、価格は$2.70からとなっているので決して低価格ではありません。ドライクリーニングよりもワイシャツビジネスの方が大きいようですが、参考にしなければならないのは価格をあまり安くしていないことです。アメリカはそもそも洋服のカジュアル化が進んでいます。故にドライクリーニングの需要がとても少なくなっているのです。それが故にワイシャツはとても集まりますが、ドライ衣類はなかなか集まりづらい状況になっています。それでも儲けるためにはワイシャツの値段を落とさないことです。

今回はダブルを3台も買ってもらいました。大きな投資ですが、とても喜んでもらえました。決して特別なことをやっているわけではありません。ですが日本のような行き過ぎた価格競争がないからでしょうか・・・。隣町のHarrisburgまで含めても7080店の競合があると言われておりますが、あまり気にならない競争なとのことです。

これは古くからやっている老舗ブランド、一番綺麗にやっている品質ブランドなどが原因しているのでしょう。ほぼお客様からは指名買いされているのです。社長のPaulaさんは「もしあなたは何も持っていない状態でクリーニング業をやるか?」と質問されたら私は絶対にやらないだろう、とおっしゃっていました。幸運なことに先代から残された設備とブランドがあったから続けられた、とおっしゃっていたのです。

儲かるクリーニング業には「ブランド」が必要なのだ、ということを改めて理解させられました。そのブランドには「綺麗にする」という品質が必ず入っております。人々に信頼されるお店が最終的に永続するお店となり、そのお店こそが利益をたくさん取ることができるようになるのでしょう。

皆さんのお店は価格を落として品質に妥協していないでしょうか?クリーニングビジネスを永続する方法はどうもここら辺にありそうです。とても良い訪問でした! 

綺麗に洗うとは?

皆さん、こんにちは。現在、ヨーロッパに移動中です。

そろそろ何かアップしないといけないな、と思っていたのですがちょっと最近気になっていたことがありました。それは「綺麗に洗う」ということです。結構世の中では嘘ギリギリの宣伝で人々を間違った方向性に進めている商品やサービスがあります。まずは世の中の商品について考えてみましょう。まずはP&Gで販売されているファブリーズという商品です。

https://www.myrepi.com/tag/myrepi-febreze

このホームページをご覧になって皆さんは本当にこのファブリーズが洋服を洗っていると思いますか?あれですべての物が綺麗になるのであれば世の中の革命です。汚れがついているのにそれをスプレーで吹きかけるだけで綺麗になるわけがありません。目に見えない汚れとはむしろ水溶性の汚れ、いわゆる汗や皮脂などです。しかしP&Gではこのような汚れがファブリーズで落とせる、と主張しているように見える宣伝です。実際にそんなスプレーで汚れが落ちると本当に思うのでしょうか?洗っていないのだから無理です。

それではこちらはどうでしょうか?

http://japanese.engadget.com/2014/07/29/10-swash-p-g-whirlpool-1-499/

これはSwashという洋服専門のメンテナンス器械と書かれています。これもファブリーズと同じ原理です。メーカーが一緒なのだから考えも一緒です。この器械の原理はよくわかりませんが、蒸気も一緒に発しているのかもしれません。それによってシワを伸ばすことはできるでしょう。

しかしながらこれも洗っていることにはなりません。これもファブリーズと同じやり方なのです。私はこの加工を「マスキング」と呼んでいます。汚れが発する臭いをこのスプレーにて表面からカバーすることで防ぎ、しかも除菌しているということを主張しているようです。天下のP&Gがやっているわけですから多くの消費者がこのような宣伝によって信じることはやむを得ないところでしょう。ただ我々は人々に「本当に綺麗にすること」で商売にしているわけですから、我々はこれを見逃すわけにはいきません。これは洗ってはいないのです。だから汚れが落ちているわけではないのです。これを消費者にもっと知らせる必要があります。

ではクリーニング店では本当に最高の状態でお客様の洋服を綺麗に洗っているのでしょうか?私はこれについても疑問に思っています。なぜならばほとんどのクリーニング店に蒸留器が設置されていないからです。実際に私は昔、あるところでセミナーを開催したのですがそこで蒸留器の必要性を訴えました。しかし、その話を聞いていたクリーニング店も販売店も同じように「蒸留器なんて使っている人はいないよ!その考え自体がおかしいのではないか?」と言われた記憶があります。その時は日本のマーケットについてあまり知らなかったこと、そして洗濯に対する知識が十分ではなかったことから「そうなのか・・・」と自分の考えを改めた思い出があります。

しかしそれは大きな間違いでした。良いクリーニング店はいつもすべての溶剤や水に対して最高の環境を維持しているのです。だから綺麗にできるのです。価格はお店の設定ですから我々が文句をいうところではありません。しかし、「綺麗に洗う」ということは最高の状態を維持することではないでしょうか?日本のクリーニング店全般にはとても希薄なのだ、ということをここで申し上げておきたいと思います。

やはりファブリーズやSwashなどには負けてもらいたくありません。是非、蒸留器を利用して最高の品質でお客様のお洋服を洗ってあげてください。

ジャカルタ最高級クリーニング店、Jeevesを紹介します

皆さん、こんにちは。

今回はインドネシアの最高級クリーニング店であるJeevesを紹介いたします。インドネシアに来たら必ずお邪魔するところです。JCPCの皆さんはすでにご存知のところですがやはりクリーニングの原点を常に考えさせられる先です。今回はわが社のタイ工場から3名インドネシアに来ていたので彼らに学習させることを目的としてお邪魔してきました。

中央にいらっしゃるのがMarcus社長です。私はインドネシアを一緒に旅している人には必ずと言っていいほど訪問してもらっております。

なぜならばいつも訪問すると必ずと言っていいほどクリーニングに対する心構えを考えさせられるからです。ジャカルタは残念ながら水がとても悪いのです。Jeevesではその水を浄化するのに相当な投資をしております。結果としてTDS数値をどれだけ抑えられるか?がキレイな水洗いをするかどうかのポイントとなります。TDSとはTotal Dissolved Solidsと言いまして総溶解固形物と言います。数値が高ければ不純物が多くて汚い水と言われてしまいます。参考値としてペットボトルのお水は55くらいでした。ちなみにジャカルタの水道水では270を超えてしまうのです。しかしJeevesのお水は7しかありません。この数値は驚くべき数値です。ちなみにこの水、飲んでおいしいか?と言われるとそうではありません。ミネラルが入っていないからです。

上の写真は右がJeevesで処理したお水。左はジャカルタの水道水です。どれだけ不純物が入っているかわかるでしょう。

こちらの左はペットボトルのお水。そして右はJeevesのお水です。ミネラルに鉄分が入っているのでこういう色になるのです。それぞれ電気を通してどれだけ鉄分が反応するか?を実験してみました。

しかし洋服の洗濯にミネラルは悪であることをJeevesは理解しています。だからその水質管理をしているわけです。この環境だからこそ綺麗に洋服を洗うことができるのです。そしてPH(ペーハー)ですがこれも7を上回ればアルカリ性、7を下回れば酸性となるわけですがが、彼らのお水はこれもしっかり7と中性を保たれているのです。これが綺麗に洗う源となります。日本は水道水のレベルが高いのでそのまま使っている人も多いと思いますが、今一度みなさんの水のあり方を考えてみるべきではないでしょうか?

洋服に対する考え方も立派です。彼らの工場にはいつも値段の高い洋服が入ってくるのでボタンなどアクセサリーの品質管理もとても大切に行っております。アクセサリーが損傷しないように事前に洋服から切り離してクリーニング後に再縫製するわけです。

この写真はお洋服から切ったボタン類です。洗濯が終了したら再縫製するのです。なかなかこれだけの手間をかけるクリーニング店はいないでしょう。

施設も本当に綺麗です。すでに20年が経過している本社ですが、工場も含めていつもピカピカの状態です。人に魅せる工場を常に意識して工場運営をしていることが良く分かります。

上の写真はちょうど社長が皮の椅子をクリーニングしている工程を説明しているのですが、気にしてほしいのは工場の床です。大理石です。綺麗ですよね。そして下の写真はワイシャツの手仕上げ工程です。機械も含めてとても綺麗です。働いている人々のユニフォームもとても綺麗なのが印象的です。

そして彼らの価格は・・・、あまり詳しくは聞きませんでしたがワイシャツは一番安くて700円から800円だそうです。日本の価格から比べると確かに高いでしょう。しかし立派に売上を上げています。ただ彼らが相手している顧客は我々日本人の平均からすると想像もできない高級層なのです。Jeevesの強みは顧客を絞り、その顧客のニーズをしっかり聞き、彼らのサービスを通じて大満足を提供することができることです。そんな高級層を相手にしているから商品のラッピングも素晴らしい!

何かだけが良くてもダメなのです。すべてがパーフェクトじゃないとだめなのです。それが高値で売れる秘訣です。それには大きな力が要ります。だから誰もができることではないのだと私はいつも訪問して再確認しています。それぞれのクリーニング店にはそれぞれの顧客がいるのでこれが全てではありませんが、この考え方は基本的にどの顧客に対しても必要な考え方です。是非参考にしてみてください。

インドネシアの展示会開催中

みなさん、おはようございます。

ジャカルタの展示会が昨日から始まっております。

この展示会はクリーニング・ランドリーだけでなく床のクリーニングなどいろいろなクリーニング機器が展示されております。ロシアの展示会と似ていますね。

三幸社もこの展示会に参加してこれで3年目。とうとうインドネシアも工場の機械化を考え始める時期に来ているようです。今まではランドリー工場は人を雇い、手でアイロンがけしてもらえればOKと思っていましたが、人件費の高騰が大きな経営問題となってきているようです。

この展示会を見てみるとまだまだ洗濯機の存在が一番目立つ展示会ですがこれからドライ機や仕上げ機もどんどん多くなってくることでしょう。その前にきちんとブランドイメージを定着できるように頑張ります。

ブログを始めます!

皆さん、こんにちは。三幸社の専務・打越圭介と申します。

私の会社は業務用クリーニング機器の製造及び販売をやっております。もっと詳しく言えばクリーニング店で使っている自動仕上機の製造及び販売をやっておりまして、ワイシャツの自動プレス機においては世界で最もシェアのある会社なんです。良かったら、弊社のホームページを是非のぞいてみてください。

www.sankosha-mfg.com

 

今回からブログを立ち上げることといたしました。今までFacebookで度々あげていた海外のクリーニング事情や私が見るクリーニング業界の問題点などをこちらで専門的に紹介したいと思います。故にFacebookでは業界的な話はしないでおこうと思います。

私はクリーニング業界の発展を心から願っている一人であります。しかし実態は価格重視ばかりで本当にお客様のお洋服を綺麗にしようとしている会社はあまり多くないと感じています。故にとても良いクリーニングをやっているお店については名前付きで良さを精一杯アピールしたいと思います。

また、アメリカ・ヨーロッパでは日本よりもクリーニングの文化が50年から100年は進んでおります。そんな進んでいるマーケットのお話もこれからこちらで発表していきたいと思います。

皆さんに多くの情報を提供したいと思いますので是非お楽しみに!