イギリスから見えるクリーニング事情とは その2

皆さん、こんにちは。

前回はイギリスという国について概略をお話させていただきました。今回はイギリスのクリーニングについて少しお話しをしてみたいと思います。

まずクリーニングの顧客について考えてみたいと思いますが、先日も書いた通り「古風」というのは一つの繁栄のキーワードになります。それから「人口」、そして「富裕層」というのがクリーニングにおいてなくてはならないキーワードなのだと考えます。それらが見事に合致しているのはやはりロンドンなのです。

イギリスには物作りがもはや存在しない、と言うことを前回のブログで書かせていただきましたがどうしてロンドンは今日も繁栄を続けていると思いますか?それは金融の中心地だからだそうです。実際にロンドンには金融関係で生計を立てている人々が沢山いらっしゃいます。銀行、証券、保険など数多くの会社がロンドンの中心地に本社として構えております。日本のニュースでも為替情報が発表される時にいつも3つの地域をメジャーとして報告していますね。東京、ニューヨークそしてロンドンです。ここからもロンドンはヨーロッパの金融の中心地として見られていることがよくわかります。

こんなところですから当然大きな収入を得ている人々がいます。そういう人々が使うクリーニング店も沢山あります。しかし現在、イギリス人が経営しているクリーニング店はとても少なくなりました。ほとんどが移民による経営に変わっております。クリーニング店だけでなくホテル向けランドリー工場でも移民が経営しているケースがほとんどです。儲かりづらい商売に対してイギリス人は移民に権利を売ってしまっているのが現状で、昔はチェーン店として業界No.1として君臨していたJohnson Cleanersももはやロンドン市内にはなくなってしまっています。しかも昨年に靴の修理会社に買収されてしまった訳ですから如何にクリーニングが一般庶民には受け入れられなくなってしまっているのか?がよくわかります。

しかしそんな状況でも立派にやっているクリーニング店もあります。なんと言ってもAmerican Dry CleaningはロンドンではNo.1のお店となりました。売上は15億以上、28店舗でのオペレーションです。やはりロンドンですからワイシャツの需要は非常に高いのが特徴です。しかもダブルカフスのワイシャツが全体の6割以上を占めているわけですから我々にとっては驚きの数字です。それだけダブルカフスはイギリスのワイシャツではスタンダードと言えます。

(American Dry Cleaningの本社前。)

(ドライの仕上げセクション。)

(ワイシャツ仕上げセクション。皆さん見る目が真剣です!)

(Americanの一つの店舗。)

(店舗内の様子。意外といろいろなモノを物販しているのです。)

このように店舗運営しているお店もあればすでにロッカーによる販売をしているお店もあります。Laundry Republicというクリーニング店ですが大小のロッカーをざっと800カ所以上に構えている会社です。これもとても特徴のあるお店で商業施設や老人ホーム、マンションなどに設置しているそうです。

(Laundry Republicの本社前。皆さんでパチリ!)

(彼らのロッカー。これらがセットで800以上もロンドン市内にあるそうです)

(彼らが使っているタグ。QRコードのサーもパッチです。)

(みなさん、珍しげにリサーチ)

さて、こんなロンドンですが興味のあるところはウェットクリーニングの比率です。Americanでは全体のドライクリーニングの15%がウェットクリーニングサービスに、そしてLaundry Republicにおいてはなんと25%がウェットクリーニング対応になっているのです。日本では信じられない量です。

日本は間違いなくイギリスの後を追っているので何かと彼らの動向は参考にしておいた方が良いでしょう。ただドラムに入れる事ばかりがウェットクリーニングではなく、いろいろなやり方でウェットクリーニングに対応していく力を持つ必要はあると思います。

 

さて、ますます進んでいる業界縮小ですが皆さんはどんな未来を進んで行くのでしょうか?最近は韓国からスタートしている靴クリーニングがだんだんとフォーカスされてきていますがこれも一つの手と言えるでしょう。ウェットクリーニングやその他のオプションもありと思います。是非今後の売上を保管するための手段を考えてみては如何でしょうか?ロンドンはウェットクリーニングで対応しているところが多かったです。

イギリスから見えるクリーニング事情とは その1

皆さん、こんにちは。

今回はイギリスのクリーニング事情についてお話しをしてみたいと思います。というのも前回のブログでイタリアの展示会についてお話しをしましたが、その後に数社の日本のクリーニング店の社長様らをお連れしてイギリスに行ってきたからです。人数は少なかったですがとても楽しい旅になりました。

さて、イギリスは文字通り大英帝国、昔の世界覇者でした。ファッションにおいても他のヨーロッパよりも習慣が古風で多くの人々が未だにスーツを着て仕事をしております。イギリスと言えばピンストライプのスーツが代表的ですよね。クリーニング業界においてはこの「古風」という言葉が繁栄の一つのキーワードかもしれません。

まずはイギリスという国についてお話をしてみたいと思います。皆さんはイギリスと言うとすぐにロンドンをイメージするかもしれません。しかしロンドンはイギリス人にとって異国のようなイメージに捉えられています。何故ならばまずは物価が高すぎる!現在のイギリスポンドはおおよそ150円と理解していただければ良いかと思いますが、地下鉄の初乗り運賃が4ポンド、なんと600円!日本人からすると信じられない料金です。ロンドン市内で泊まるホテルはどこも150ポンド(2万2500円)が最低でちょっと良いホテルになると軽く300ポンド(45,000円)以上になります。先日、オーストラリア・シドニーの話をしたと思いますが、まさに似ています。普通の収入で生活しているイギリス人でロンドン市内に住める人は一人もいないくらい異常なところです。

一方でロンドンを出て地方をみてみると状況は一変します。クリーニングが必要ないのではないか?と思ってしまうくらい、のどかな風景が続きます。先日はKent地方にあるLeeds城を訪問したり、その先にある小さな美しいRye村を訪問したりと私もすっかり観光してしまいましたが、それらを訪問してみても全く商売がそこら辺に転がっているイメージはなかったです。

Leeds城です。とっても美しい洒落たお城でした!

みなさんで散策!

Rye村の小道。この先に村の教会があります。

Rye村のホテル。昔はここに海賊達が毎日宴会をしていたとか・・・

教会の上から撮ったパノラマ写真。これぞイギリス!のどかです。

考えてみればロンドンは郊外まで含めると2500万人の人口と言われております。第二の都市はバーミンガムかマンチェスターとされているのですが、どちらもおおよそ郊外まで含めても250万人いるかいないか、と言うことでロンドンの10分の1しかないのです。こうなるとロンドン一極集中と言われても仕方がありません。誰もが「ロンドンで商売が出来なければ儲からない!」と考えてしまっているわけです。

イギリスでは残念ながら産業がほぼ消えてしまっています。イギリスであった自動車メーカーももはやすべて海外のメーカーに買収されてしまい、イギリスのオリジナルブランドがほぼなくなってしまっています。ではどうしてそうなってしまったのか?というと、それは先ほど書いた物価です。イギリスで物作りは出来ないほどコストがかかりすぎてしまいます。しかも島国なので基本的に移民が簡単に入ってこないのです。

ただロンドン市内を見てみると驚くほどインド人、パキスタン人などが働いています。これは昔のイギリス植民地政策の影響から多くの人々がこの国に移り住みそして国民と化しています。最近はそれでも安い労働力が見つからない、と言うことでポーランド人を40万人も受け入れた時期がありました。現在はそのような東欧の人々がコストマインドにとてもうるさい業種に入り込んで働いているのが現状でしょう。もちろん、クリーニング店やランドリー工場にもポーランド人やルーマニア人などがたくさん働いています。

このように見てみるとイギリスは日本にとって一番近いお手本かもしれません。単一民族だったのがコストの関係から外国人を招聘し自分たちがもはや働きたくない分野に移民を使う、というモデルです。しかしそれにより、単一民族ではなくなりいろいろな人種の文化に染まっていくという可能性が出てきております。イギリスの現状を見ながら日本の将来を占ってみるのも良いかもしれません。しかし日本で物作りが出来なくなったら日本は一体どうなってしまうのでしょうか?考えただけでも恐ろしい話ですね。

次回はイギリスのクリーニングについて触れてみたいと思います。

Expo Detergoで見えたこととは?

皆さん、こんにちは。

前回はイタリアのクリーニング業界についてお話しをいたしました。今回は展示会で私が見えた事についてお話しをしたいと思います。

展示会場の入り口。今回は良く入りました!

会場の一部。ドライ機や仕上げ機がホント多かったです。

弊社の様子。いつもながらワイシャツには群がります!

前回のブログで展示会について少しお話しいたしましたが今回はもう少し展示会の話をしたいと思います。と言うのも、なんか楽しくない!やはり新しい技術が全く出てこないからか?その一端はSankoshaも関わっているのですけどね。

クリーニングの歴史を見てみると繁栄し、衰退していくのには各国とも同じ条件で成り立っていました。まずは導入期ですが、人々の生活が豊かになっていくときです。このときは人件費も安く、多くの労働力を投入出来る時期なので一番手っ取り早い時期と言えるでしょう。

次に繁栄期です。人々がクリーニングに慣れてきます。クリーニング店も年々上がる人件費に対応するために労働力をだんだんと制限し、機械化・オートメーション化に特化していきます。

そして衰退期です。人件費がさらに高騰を続け、クリーニング店はやむなく値上げに踏み切ります。その値上げによって多くの人々が使えないサービスに変わっていき、ここでボリュームが一気に減っていきます。しかし値上げをしない限り、自社の利益が全く出なくなるのでこれはやむを得ない状況と言えるでしょう。

一番人件費を使うのは紛れもなくアイロニング工程です。世界ではSankoshaが一番機械を簡単に使うことができて、しかも仕上がり品質が一番良い、と評価をいただいております。しかしながらSankoshaのワイシャツ仕上げ機でさえ人件費をこれ以上抑えることは出来ない状態です。我々がある意味クリーニング業界の将来を決めてしまうと言っても過言ではないでしょう。

さて、展示会ですがこんな状況ですから新しいモノなど何もないのです。私も日本のお客様をツアーでお連れすることがとても多いですがもはや見るモノなし、と言うことで展示会を絡めたツアーはもうやめようか!と考えております。

ただ、今回面白かったのはドライ溶剤です。各溶剤メーカーがこぞって新商品を出しております。例えばドイツ・Seitz(日本代理店:木村化学)が出しているIntenseという溶剤。基本溶剤は第三石油(Hydrocarbon)ですが、ここに混ぜ物をしてKB値が73まで跳ね上がっています。パークほどのKB値はありませんがかなり高い!しかもビーズなどがくすまないのも良いですね。
一方でドイツ・Bufa(日本代理店:双立)が出しているSenseneという溶剤。これも基本溶剤は第三石油なのですがこれに混ぜ物をしてKB値が161という驚異的な数値になっています。元々はドイツ・Kreusllerが出したK4という溶剤が各社の新しい溶剤開発のきっかけになったと察します。日本のツーエム化成が出しているインパクト70も同じコンセプトでしょう。

Bufaのブース。

Senseneのプロモーション。しかしこれだけだとわかりませんな・・・。

Seitzのブース。これだけだと何を売りたいのかわかりませんが・・・。

面白いのは現在皆さんが使っているコールドタイプのドライ機でも使える点です。乾燥工程で温度設定を変えなければならない問題点はありますが有識者に調整してもらえれば使えるはずです。料金など詳しいことは私からは申し上げられませんのでお近くの代理店に聞いてもらうのが一番ですが、これらのKB値が本当ならばやっとパークを放出出来るのかもしれません。

ただ昨今ではKBとされるカウリブタノール樹脂が取れないと言われております。皆さん、どうやってKB値を図っているんでしょうね?(笑

この溶剤進化は今回の展示会でもホットな話題でした。機械で一番ホットだったのは・・・、弊社で出したSW-100ハイブリッド洗浄機ですかね。これは本当に注目を浴びました。

いずれにしてもなかなか進化の起こらない工場設備ですが、一番進化してもらいたいのは店舗や売り出し方のような気がします。ファブリーズなどに負けないようなプロモーションを皆様にはお願いしたいモノです。

イタリアのクリーニング業とは?

皆さん、こんにちは。

10月19日から4日間にわたってイタリア・ミラノにて業界の展示会Expo Detergoが開催されました。この展示会は4年に1回の開催ですが、三幸社は2002年から参加しておりまして今回が5回目となります。

さすがイタリア!と言うくらい、この展示会には弊社と競合になる仕上げ機メーカーが多数参加しております。何故ならば世界の仕上げ機メーカーで一番多い国はイタリアだからです。ほとんどがアパレル業界からの延長で成り立っている会社ばかりです。イタリアは数多くのブランドが存在し、それらがまだ自国で生産しているところに面白さがあります。またそのようなメーカーにサポートするために仕上げ機メーカーが数多く存在しているのも面白いと思います。イタリアの仕上げ機メーカーはアパレル業界からスタートしているのに対してアメリカや日本の仕上げ機メーカーはクリーニング・ランドリー業界からスタートしているところが大きな差と言えます。

ついでにイタリアのクリーニング業について軽く説明いたします。ヨーロッパで一番クリーニング店の数が多いのがイタリアです。イタリアは文字通りファッションの国ですがファッションを優先するあまりメンテナンスの事をあまり考えないで洋服を作るメーカーが非常に多いのです。例えば生地にしても水に浸した瞬間に染料が流れ始めてしまったり、ちょっとしたアクセントに平気で革を利用したり、とにかくクリーニング店泣かせの洋服が目立ちます。そんな洋服ばかりなのでドライクリーニングでなければ洗えない、という事になります。典型的なお店はドライ機が1台、そしてアイロン台が1台、という設備だけなのです。もちろん店主が一人で働いているお店が多く、日本のようにワイシャツなどの水洗いもやらなければ他の付加価値サービスもやらない、というとてもシンプルなお店が多いのです。

イタリアでは水洗いは家庭の仕事であり、アイロンがけも含めて家庭の主婦ができないとその人のレベルが疑われる、と言うことで決して外注する事はなく、自分たちでやるのです。日本とは大きな違いですね。

しかし、メンテナンスの事を考えずにデザインを重視してしまうところは何ともイタリア的です。実際に、洋服だけでなく、建物などでもとても奇抜なデザインが多く見た目はとても良いのですが、汚くなったらどうやって掃除するのだろうか?と疑ってしまいます。もしかしたら掃除・洗濯はとても苦手な国民性なのかもしれませんね。(笑

日本だったらすぐに突っ込まれる事がこちらでは突っ込まれない、面白いところです。

次回は今回の展示会で気になったところを紹介したいと思います。

IDCでのBobbyさんの話

皆さん、こんにちは。

前回はIDC国際クリーニング会議に参加した話をさせていただきましたが、大阪の藤岡様から「ホームページの話をもっと聞いてみたい」というリクエストがありましたので今回はその話をしてみたいと思います。

この方はBobby PatelさんとおっしゃってロサンゼルスのKona Cleanersの経営者です。出身はインドですがすっかりアメリカ人です。3回前のブログに「カリフォルニアの展示会に参加した」という内容をお送りいたしましたが、この時に私はKona Cleanersを訪問してきました。初めて訪問したのは10年も前でしょうか・・・、そのときはお店も工場も機械も汚かったです。私はそのときのイメージが鮮烈に残っていたので今回の訪問では本当にびっくりしました。

お店が綺麗になっただけでなく同じ名前でもロゴを変えたり色を変えたりして全く別ブランドのように見えました。もちろんスタッフのユニフォームも会社のカラーに合わせておりましたし、とても良い雰囲気がそこにはありました。

ドライ機にもKona Cleanersのロゴが・・・。

しかしどうやって同じ人がここまで会社のカラーを変えることが出来たのでしょうか?時は2007年、Bobbyさんはドライクリーニング溶剤にGreen Earthというシリコン系の溶剤に変えた時がそのきっかけだったと言います。このGreen Earthは環境に優しいイメージを持っています。実際にドライ溶剤は有害なイメージ、英語ではToxicという言葉を使いますがGreen Earthはそのまま排水も出来てしまうので非常に環境に優しいという表現をしています。

同時にBobbyさんはこのときにKona Cleanersをハワイのグリーンのイメージに変えてみたい、という考えがあったようで結局その両方をイメージしたら現在の紫と緑のイメージになった、と言うことでした。そんな事を考えている時、彼の一人のお客様がワイナリー事業を始めたそうです。ワインで使われるラベルはとても良いイメージのモノが多いのでその人にお金を払ってデザインをお願いしたら現在のロゴになったそうです。

私もこんな格好させられました・・・。

Bobbyさんがびっくりしたのはロゴやカラーを利用して店構えが変わったら売上が20%増えたのです。やっている事は変わらないのに売上が増えた事で本人は重要性を確信したそうです。ここから人に伝えることの重要性を理解し、その後Be Creative 360というネット会社を立ち上げるに至った訳です。

Be Creative 360の社内。共同経営のDaveさんと!

現在はクリーニング店を中心に多くの顧客からホームページ制作のビジネスをやっています。Sankosha USAも彼らの顧客でありイメージがすっかり変わってとても役立っています。ただBobbyさんに言わせると一番大切なことは「人の意見を聞くこと」だそうです。顧客の意見ですがほとんどがクレームです。そのクレームをどのくらい聞くか?が大切なポイントだそうです。「悪い意見を聞き続ける事で最終的に良いコメントも出てくるのだ」と。人の意見を避けているようでは人々に支持される会社にはならない、と言うことで如何に人の意見を聞く体制を持っているか?が大きなポイントになるそうです。

イメージはとても大切ですしロゴももちろんでしょう。しかし一番大切なのは「人の意見を聞くこと」です。私ももっと人の意見を聞けるようにしなければ・・・。(笑

国際クリーニング会議に出てきました!

みなさん、こんにちは。

今回は9月21日からインドネシア・ジャカルタで行われましたIDC国際クリーニング会議の話をしてみたいと思います。今回はアメリカ、カナダから始まりヨーロッパ諸国(ロシアを含む)、アジア諸国、中華圏(台湾や香港を含む)などで合計14カ国くらいから来ていたかな・・・。いずれにしてもとても華やかな会議でした。実際にJeevesの工場見学などもありまして、参加された皆さんは全く違うクリーニング店を興味深く見ておりました。

今回の会議の内容においてもかなりプロデュースはしたのですが、これだけいろいろな国が参加となるとお話しする内容を決めるのは難しいモノです。何故ならばそれぞれの国におかれているステージが全然違うからです。例えば日本はすでにクリーニングの成長期を越えて衰退期に入ろうとしております。労働賃の上昇、人手不足、相変わらずのデフレからなかなか出来ない価格改定。クリーニング店にとっては儲からない条件ばかりがそろっています。このような方々は「人手を少なくして出来るクリーニング業とは何か?」を聞きたくなるはずです。

一方で現在のアジア(中国を含む)を見てみましょう。彼らは成長著しいです。それぞれの市場では「より良いクリーニング技術とは?」という日本の30年前に話題となった内容が焦点になります。ちなみに30年前に日本が同じお題目を楽しみにしていた時、アメリカやヨーロッパはすでにクリーニング業の衰退期に入っていました。どうやら歴史は繰り返していると言わざるを得ません。

市場が右肩上がりになっていると人々が最も注目するのは「品質向上」「生産性強化」というお題目が最も関心の高いお題目になります。しかし、市場が右肩下がりになりますと「コスト削減」「人手を必要としない工場設計」「新しいビジネスモデルの確立」というお題目が最も関心の高いものになるわけです。それではアメリカやヨーロッパなど我々日本人よりもさらに先を進んでいる市場は一体何を知りたいのだろうか?と考えると如何に共通のお題目を作る事が難しいか?が皆さんにもおわかりいただけると思います。

私も今回は困ってしまい、ホストをやってくれたインドネシアJeevesのMarcus社長にはたった一つのセミナー提案しか出来ませんでした。結局、彼が残りのセミナーを企画し、一応会としてはなり立ちましたが本当に難しいモノでした。ちなみに私が提案したのはアメリカのホームページ制作会社の話でした。彼はロサンゼルスのクリーニング店経営者なのですが自社の店構えやロゴを変える事から始まり、プロモーション全体を変える事にまで発展しました。結果として、新しいネットの会社を企業し、多くのクリーニング店のホームページをプロデュースするに至っております。

私は世界の共通問題として「如何に人々に自社の価値を伝える事が出来るか?」と言うのが一番の問題と思っていたのです。いくら技術があっても彼のようにそれを伝える方法がない限り昔の価格、昔の利益率で活動するしかないと思うのです。今回は世界各国で聞きたい内容が全然違う話があるのだ、という一方、文中でも書いた通り「自社の価値をどのように伝えるか?に対してもっと投資するべきだ!!」という話が世界共通の話題である事をお知らせいたしました。

ハワイのクリーニング事情

皆さん、こんにちは。

今回はハワイのクリーニング事情についてお話ししたいと思います。

ところで皆さんはハワイにどれだけの人が住んでいると思いますか?私も聞いただけの話ですがおおよそ100万人が住んでいるそうです。もちろん、オアフ島だけでなく全島を併せての話と思いますが・・・。それにしてもハワイって良いところですね。夏でも全然暑くないし、その割に寒くない。これが一年間ずっと続くんだからなんと過ごしやすいことか!

さて、皆さん。ハワイで一番大きなクリーニング店はどこかご存じですか?

驚くなかれ!一番大きい会社は白洋舍なんです。現在オアフ島に15店舗位を持っていると思います。白洋舍はもう一つリネンの会社Dustexという会社もお持ちでハワイでは老舗中の老舗として存在感がとても大きい会社です。今回私も訪問した理由は白洋舍を訪れるためだったのですが・・・。

しかし現地はとても大変な状況になっているそうです。現地の社長をやられている小村さんの話によると人件費がこの4年で40%も上がったそうです。こんな急激な上がり方で利益を出せる企業ってあるんでしょうか?もう少し政府は企業の事も考えてもらいたい、と思うばかりです。何故ならば私がこの立場だったら利益を出せる自信がないからです。皆さんはどうでしょうか?日本政府にそのような対応をされたら利益出るでしょうか?それでもやって行っているわけですからお見事としか言いようがないです。

しかし白洋舍も決して潤沢な経営をやられているわけではないようです。私はアメリカのビジネスを知ってしまったのでその物差しで彼らを見ているとやはり一番の問題は「言葉の壁」のように感じました。ハワイで一番多い顧客は日本人、もしくは日系人です。だからやっていけているような気がしてなりません。もちろん、白洋舍はアメリカ海軍なども顧客になっています。ハワイで一番のビジネスは軍関係と観光客と言われているわけですから要諦はつかんでいるわけです。

しかしハワイで一番顧客にしなければならないのは地元の有力者、いわゆる富裕層です。これはアメリカのビジネスとして一番大切にしなければならない事と思います。(もちろん、日本だって一番大切ですが・・・)日本人は意外と地域の人々との密着はあまり求めない、というか遠慮がちなのでしょうね。

しかし日本人のこの遠慮がちな考え方が最終的に優良顧客に指名買いしてもらえない要因なのではないか、と私は考えています。私はどちらかと言えば外国人、というか私の親に言わせると「お前は図々しい!」と言われます。図々しい方が関係は深くなるような気がします。そしてアメリカのビジネスでは関係が深くならなければ長く続かないのがセオリーです。

白洋舍にはこれからもハワイを頑張ってもらいたいと心から思っています。こちらももっと応援しないと!もっとゴルフしに来るか!!(笑

映画「Winston Churchill」を見て

みなさん、こんにちは。

先日はシカゴとハワイを訪問してきました。ハワイのクリーニング事情についても一度ご紹介したいと思いますがそれは次回のお楽しみとしましょう。

今回は映画の話をしたいと思います。それは「ウィンストンチャーチル(Winston Churchill)」です。本当に感動します、この映画は!

時は第二次世界大戦。ドイツがヨーロッパを侵攻しているときに彼は最後まで「戦いあるのみ!仮に戦いに敗れても滅びることはなく必ず国は再生する。降伏した国のみが滅びるのだ!」と最後まで言い続けました。その結果、嫌われていたはずの国王から信頼を得ることとなったのです。彼は多くの人々から嫌われていました。しかし最後には国王の信認を頂き、その国王から「国民の声を聞くのだ」と言われました。そこでチャーチルは地下鉄に乗り込み、そこに乗っていた国民から「降伏するくらいだったら戦って死ぬ!」とまで言われて彼は自分の信念が正しいことを確信し、国会の承認を導き出すことができました。

これを業界においてみたらどうでしょうか?周りの人々が最初に自分の向かうべき方向性に対して反対、もしくは無視を表明している状態でみなさんは本当に自身を貫き通す事が出来るでしょうか?我々はどうしてこの業界で生活をしていこうと思っているのだろうか?Winston Churchillの初心は「勝利(Victory)」でした。我々の業界はVictoryを叫び続ける事ができないのでしょうか?

私はこの業界ではまだまだやっていないことがたくさんあると思っています。一番やっていないことは「ドライクリーニングにおける効用と限界」を人々に知らせる事だと思います。何故ならば多くの顧客がドライクリーニングとは何か?を知らないからです。もしかしたら知らなくて良いかもしれません。しかし知らなくて良いならば知っている人が最後まで綺麗にする必要があります。私が言いたいことはドライクリーニングでは水溶性の汚れが落ちていないことです。それを伝えようとしている人はこの業界ではとても少ないし、知っている顧客は極めて少ないのが現状です。しかしほとんどのクリーニング店がその説明責任も果たさないまま業界が細って行く事に憂いを示すばかりです。

私は最近からウェットクリーニングの可能性を示しておりますがこれには理由があります。それは「ドライクリーニングでは落とせない汚れがある」ことです。それをもっと示す必要があります。今まで自分たちが出来なかったことをこれからやる!これを表明する事が悪いことなのでしょうか?それにより人々が我々を非難する事になるのでしょうか?私は全くないと思います。今まで出来なかったことをこれからやる。我々は出来るようになった!と言うのはとても良いのではないかと思います。何故ならば自社のアップグレードだからです。全然今まで出来ていなかった事をネガティブに思う事はないのだと思います。もっとポジティブに自分たちのこれから出来る事を表明した方が良いと思うのです。

誰でも出来る事に対して人々はお金を払ってくれません。しかし人々ができない事をお店がやることに対しては必ずお金を払ってくれます。我々はそれを持っています。後はそれをどのように作業していくか?そしてどのように人々に魅力的に思わせるか?です。我々は未だに市場に対して戦っていないのだと思います。

皆さん、是非この映画を見てみてください。生きるとは?を本当に考えさせられます。本当に生きるか死ぬかの瀬戸際で大英断をした首相です。これを見て自分はどうしていくか?を是非探ってみてください。

カリフォルニア展示会に行ってきました

みなさん、こんにちは。

8月18日と19日にロサンゼルス郊外にあるロングビーチというところで地域展示会がありましたので私も参加してきました。2日間でおおよそ800名の来場というわけですから決して多い展示会とは言えませんが、今年行われた他の地域展示会に比べれば比較的参加者の多い展示会だったと言えるようです。

ただ会場を見回してみても決して新しい展示物があるわけでもありません。来場者が少なくなるのも「新しいソリューションがなかなか出てこない」のが一つの原因と言えるかもしれません。

ここカリフォルニア州はアメリカで一番環境に厳しい州として知られています。実際にクリーニング業界に対してはパークロルエチレンの使用が2020年で全面的に禁止されることが決まっております。これも残念な話ですが汚れを落とす事と環境に優しい事は全く逆の話で、政府が環境の事ばかりを優先するとクリーニング、特に油汚れなどのクリーニングにおいてはやりづらくなってくるのです。特にカリフォルニア州ではNone Toxic(無毒な)という言葉が先行してしまっているのでどうしてもドライクリーニングについてはToxic(有毒な)というイメージが着いてしまっています。非常にネガティブな言葉なので商売にもかなり影響してしまっているのがカリフォルニア州でクリーニング店を行っている人々の頭痛の種なのです。

今回の展示会で新しかったのはカリフォルニア州政府がウェットクリーニングをスタートする業者に対して最大10,000ドルを補助するという条例が出たことです。実際にウェットクリーニングにおけるメーカーのプロモーションはいくつか出ておりますがまだまだ目立つ存在にはなっていないのが現状です。何故ならば「ウェットクリーニングは手間がかかるし、洋服が縮むリスクがある」という理由があるからです。ただ、州政府が補助金を出すことで多少の投資意識が市場に生まれる可能性はあります。これからどのように市場がウェットクリーニングに注目していくのか?これは楽しみです。

ただウェットクリーニングがすべてを解決出来るわけではありません。ドライクリーニングも必要です。それをもっと世の中の消費者に伝える必要があります。それをわかってくれた上で我々業者がプロとして汚れた洋服を綺麗にする事を考えていく事が必要なのでしょう。

単に「ウェットクリーニングは面倒くさいし縮みのリスクがある」と敬遠するのではなく、両方を駆使してどんな汚れに対しても綺麗に出来るクリーニング店を目指してもらいたいと思いました。

バンコクの交通事情からみる商売の難しさ

皆さん、こんにちは。

先日は中国のお話しをさせていただきましたが、今回は東南アジアのタイを紹介したいと思います。

皆さんはバンコクという都市に行ったことはあるでしょうか?三幸社はバンコクから南東に1時間くらい走った所にチョンブリ県という地域がありまして、そこに工場がありますのでよく訪問するのですがすごい都市ですね。何がすごいと言うと渋滞がすごいのです。あんなに渋滞が激しいといい加減仕事になりません。5〜6km先の目的地まで1時間なんて平気でかかるのです。1日に何件も仕事のアポを入れる事なんてとても出来ません。

電車はある程度充実しています。料金も安い!ただ東京みたいに縦横無尽に張り巡らされているわけではないので結局近くの駅まで行くのに時間がかかる、と言うわけです。

一番使われているのはバイクタクシーです。地元の人々は平気で待っているバイクに目的地を説明してひょいと乗ってスタート。女性が普通に後ろに乗ってヘルメットもかぶらずに目的地まで乗っていく姿をよく見ることが出来ました。確かにバイクであれば渋滞していても間をすいすい抜ける事が出来るので便利です。しかし日本ではまずあり得ない光景です。

さて、アメリカでは皆さんご存じのUberというタクシーシステムがありますが、タイにはそれとほぼ同じシステムでGrabというタクシーアプリがあります。今回はこれをかなり利用させてもらいましたがシステムはこうです。アプリで登録し、自分の現在地と行きたい目的地を設定するとそのオファーに反応した車が自分たちのいる場所に来てくれて目的地まで送ってくれます。すでにアプリでクレジットカードを登録しているので支払いでもめる事もありませんし、運転手が改めて場所を確認する必要がないのです。これも日本にはないシステムで便利さを感じるところです。

それでも渋滞を緩和する策はこの町になさそうです。私はいつもクリーニング業がこの町で反映するのか?を考えながら見ているのですが、最低日本やアメリカでやっているような有人店舗やドライバーが顧客の自宅まで伺う外交などは有効ではなさそうです。やはり渋滞が一番の問題になるからです。

さて、そうするとこの国では何が一番良い解決策になるのでしょうか?この国は日本と同じように貧富の差が比較的少ない国です。そうすると自然と求められるのは「万人受けするサービス」になってくるわけです。しかし交通事情が悪い、でも多くの人々に使ってもらいたい。そこで考えられるのはロッカーサービスなのかもしれません。ここではコストも高くなってきました。しかし人々に払えるお金がない、となると友人サービスは難しい、となるわけです。

 

如何でしょうか?私はいろいろな地域を旅しておりますが、だんだんとそのポイントが理解出来るようになってきました。貧富の差があるかないか?交通の便が良いか悪いか?それによってサービスの方法が変わってくるのです。変わらないモノは何か?と言うと・・・、それは「綺麗にする事」です。それを価格やサービスの条件に合わせて落とすのは絶対に残る事が出来ない条件になってしまいます。誰を相手に?どのくらいの価格で?どんな利便性を?これは考える条件です。しかしすべてに当てはまることは「綺麗にする事」です。是非それをいつも考えながら自分らしいサービスを展開してみてください。