Expo Detergoで見えたこととは?

皆さん、こんにちは。

前回はイタリアのクリーニング業界についてお話しをいたしました。今回は展示会で私が見えた事についてお話しをしたいと思います。

展示会場の入り口。今回は良く入りました!

会場の一部。ドライ機や仕上げ機がホント多かったです。

弊社の様子。いつもながらワイシャツには群がります!

前回のブログで展示会について少しお話しいたしましたが今回はもう少し展示会の話をしたいと思います。と言うのも、なんか楽しくない!やはり新しい技術が全く出てこないからか?その一端はSankoshaも関わっているのですけどね。

クリーニングの歴史を見てみると繁栄し、衰退していくのには各国とも同じ条件で成り立っていました。まずは導入期ですが、人々の生活が豊かになっていくときです。このときは人件費も安く、多くの労働力を投入出来る時期なので一番手っ取り早い時期と言えるでしょう。

次に繁栄期です。人々がクリーニングに慣れてきます。クリーニング店も年々上がる人件費に対応するために労働力をだんだんと制限し、機械化・オートメーション化に特化していきます。

そして衰退期です。人件費がさらに高騰を続け、クリーニング店はやむなく値上げに踏み切ります。その値上げによって多くの人々が使えないサービスに変わっていき、ここでボリュームが一気に減っていきます。しかし値上げをしない限り、自社の利益が全く出なくなるのでこれはやむを得ない状況と言えるでしょう。

一番人件費を使うのは紛れもなくアイロニング工程です。世界ではSankoshaが一番機械を簡単に使うことができて、しかも仕上がり品質が一番良い、と評価をいただいております。しかしながらSankoshaのワイシャツ仕上げ機でさえ人件費をこれ以上抑えることは出来ない状態です。我々がある意味クリーニング業界の将来を決めてしまうと言っても過言ではないでしょう。

さて、展示会ですがこんな状況ですから新しいモノなど何もないのです。私も日本のお客様をツアーでお連れすることがとても多いですがもはや見るモノなし、と言うことで展示会を絡めたツアーはもうやめようか!と考えております。

ただ、今回面白かったのはドライ溶剤です。各溶剤メーカーがこぞって新商品を出しております。例えばドイツ・Seitz(日本代理店:木村化学)が出しているIntenseという溶剤。基本溶剤は第三石油(Hydrocarbon)ですが、ここに混ぜ物をしてKB値が73まで跳ね上がっています。パークほどのKB値はありませんがかなり高い!しかもビーズなどがくすまないのも良いですね。
一方でドイツ・Bufa(日本代理店:双立)が出しているSenseneという溶剤。これも基本溶剤は第三石油なのですがこれに混ぜ物をしてKB値が161という驚異的な数値になっています。元々はドイツ・Kreusllerが出したK4という溶剤が各社の新しい溶剤開発のきっかけになったと察します。日本のツーエム化成が出しているインパクト70も同じコンセプトでしょう。

Bufaのブース。

Senseneのプロモーション。しかしこれだけだとわかりませんな・・・。

Seitzのブース。これだけだと何を売りたいのかわかりませんが・・・。

面白いのは現在皆さんが使っているコールドタイプのドライ機でも使える点です。乾燥工程で温度設定を変えなければならない問題点はありますが有識者に調整してもらえれば使えるはずです。料金など詳しいことは私からは申し上げられませんのでお近くの代理店に聞いてもらうのが一番ですが、これらのKB値が本当ならばやっとパークを放出出来るのかもしれません。

ただ昨今ではKBとされるカウリブタノール樹脂が取れないと言われております。皆さん、どうやってKB値を図っているんでしょうね?(笑

この溶剤進化は今回の展示会でもホットな話題でした。機械で一番ホットだったのは・・・、弊社で出したSW-100ハイブリッド洗浄機ですかね。これは本当に注目を浴びました。

いずれにしてもなかなか進化の起こらない工場設備ですが、一番進化してもらいたいのは店舗や売り出し方のような気がします。ファブリーズなどに負けないようなプロモーションを皆様にはお願いしたいモノです。

イタリアのクリーニング業とは?

皆さん、こんにちは。

10月19日から4日間にわたってイタリア・ミラノにて業界の展示会Expo Detergoが開催されました。この展示会は4年に1回の開催ですが、三幸社は2002年から参加しておりまして今回が5回目となります。

さすがイタリア!と言うくらい、この展示会には弊社と競合になる仕上げ機メーカーが多数参加しております。何故ならば世界の仕上げ機メーカーで一番多い国はイタリアだからです。ほとんどがアパレル業界からの延長で成り立っている会社ばかりです。イタリアは数多くのブランドが存在し、それらがまだ自国で生産しているところに面白さがあります。またそのようなメーカーにサポートするために仕上げ機メーカーが数多く存在しているのも面白いと思います。イタリアの仕上げ機メーカーはアパレル業界からスタートしているのに対してアメリカや日本の仕上げ機メーカーはクリーニング・ランドリー業界からスタートしているところが大きな差と言えます。

ついでにイタリアのクリーニング業について軽く説明いたします。ヨーロッパで一番クリーニング店の数が多いのがイタリアです。イタリアは文字通りファッションの国ですがファッションを優先するあまりメンテナンスの事をあまり考えないで洋服を作るメーカーが非常に多いのです。例えば生地にしても水に浸した瞬間に染料が流れ始めてしまったり、ちょっとしたアクセントに平気で革を利用したり、とにかくクリーニング店泣かせの洋服が目立ちます。そんな洋服ばかりなのでドライクリーニングでなければ洗えない、という事になります。典型的なお店はドライ機が1台、そしてアイロン台が1台、という設備だけなのです。もちろん店主が一人で働いているお店が多く、日本のようにワイシャツなどの水洗いもやらなければ他の付加価値サービスもやらない、というとてもシンプルなお店が多いのです。

イタリアでは水洗いは家庭の仕事であり、アイロンがけも含めて家庭の主婦ができないとその人のレベルが疑われる、と言うことで決して外注する事はなく、自分たちでやるのです。日本とは大きな違いですね。

しかし、メンテナンスの事を考えずにデザインを重視してしまうところは何ともイタリア的です。実際に、洋服だけでなく、建物などでもとても奇抜なデザインが多く見た目はとても良いのですが、汚くなったらどうやって掃除するのだろうか?と疑ってしまいます。もしかしたら掃除・洗濯はとても苦手な国民性なのかもしれませんね。(笑

日本だったらすぐに突っ込まれる事がこちらでは突っ込まれない、面白いところです。

次回は今回の展示会で気になったところを紹介したいと思います。