韓国のクリーニング業界

皆さん、こんにちは。

前回のブログではゴルフを通じた韓国人の国民性についてお話しをさせていただきました。今回は韓国のクリーニング事情についてお話しをしたいと思います。

 

韓国という国は日本とほぼ一緒でお金持ちがとても少ない一方で貧乏も少ないという超中流社会です。アメリカのように各町にお金持ちがいるわけではないし、それなりの所得しかない消費者の皆さんにサービスを提供して売上と利益を上げていくわけです。そのような人々に対して商売する事になる訳ですから基本的にボリュームをとって行くしかないわけです。結果として、工場の生産性から来る原価低減が利益の源泉となります。

システムは日本と同じように料金前払い、大手チェーンは当日クリーニングサービスを無料でやっております。依然としてソウルに本部を置くクリーントピアが圧倒的な全国シェアを握っておりますが、最近は釜山地域に本部を置くワールドクリーニングが勢力を伸ばしてきております。全国的にはこの2社がしのぎを削っているのが実情です。

韓国のクリーニング技術はほぼ日本からの輸入です。現地にもいくつかのメーカーがあり、ドライ機、洗濯機、仕上げ機、包装機など韓国製がしっかり存在しています。しかしクリーニングのシステムは完全に日本と一緒です。だから韓国では日本の中古機がたくさん利用されていることも大きな特徴です。

次にワイシャツについてですが、韓国人は日本のように白いワイシャツを着る人が多くありません。日本のチェーン店ではワイシャツ比率が40%から50%と高いのですが、韓国では15%から20%とあまり高くありません。一方で濃色系の洋服がとても多くて、シャツ類もオープンシャツのようなものが結構クリーニングにやってきます。これはおそらく韓国の食文化の中心にある唐辛子が洋服に付着する事から来ているかと思います。韓国人はほぼ毎食スープやキムチを食します。白のワイシャツにあの赤色のスープやキムチのタレがついたら目立ちます。

このように見てみても韓国の業界にはあまり大きな特徴がないのですが、唯一の特徴は靴のクリーニングでしょう。料金は350円、日本ではまずあり得ない価格です。 ただ靴といっても韓国では運動靴、日本では運動靴をクリーニングに出す習慣がありません。でも考えてみれば何で日本にはないのでしょうか?

韓国では業界最大手のクリーントピアが2000年頃に新しいサービスとして打ち出したもので、彼らが辛抱強くプロモーションし続けた結果、現在となってはほぼすべてのクリーニング店で靴のクリーニングサービスを提供している、という状態になっています。日本では韓国の靴クリーニング事情を学んでコインランドリーの中に運動靴クリーニングのようなセルフサービスを行っているお店が散見出来ます。

考えてみれば靴だってクリーニングした方が良いですよね。スーツだって数回着ればクリーニングしているのになぜ靴はクリーニングしないのだろうか?と本当に考えるようになりました。特に子供が学校で使っている上履き、あれは本当に汚いですよね!(笑 あれは一生懸命ブラシでこすってもなかなか綺麗にならないんです。クリーニング店がそういうものを綺麗に出来るサービスがあるならば私は使いたいと心から思います。そういう意味ではクリーントピアは韓国のクリーニング業界にとても大きな貢献をしたのではないか?と思います。

是非皆さんも靴のクリーニングを考えてみてはどうでしょうか?