JCPCカナダツアー

みなさん、おはようございます。

このブログを続けて2年が過ぎましたが見直してみると意外と同じところを訪問しているな、と感じます。展示会は定期的に同じ時期で行われるので仕方ないかもしれませんが情報だけを提供しようとするとどうしてもネタ不足になってしまうのです。
そこで今回から書き方を変えてみようと思います。いわゆる随筆として書いてみようと思うのです。同じ場所を訪問しても自分の気持ちは変わっていることが多い。ならばその気持ちもこのブログに載せてみると面白いな、と思いましてこれから日記風で書いてみようと思います。慣れないかもしれませんが頑張って書いてみます。それではスタート!

 

6月22日、Clean Showは3日目だが私はすでにニューオリンズを去ってカナダ・トロントに向かっている。JCPCのご一行様に合流するためである。JTS日本ツアーサービスの藤島さんと僕で企画するツアーは2013年の香港からスタートしたのだが、毎回とても好評で今回も40名以上の方々に参加してもらえた。大人数をお世話するのはとても大変だが、それだけ参加者が多いというのは彼らにとってとても魅力的なのだろう。私も頼られるのは大好きだから一層気合いが入るってものだ。

はやる気持ちを抑えながらトロントに到着した。時間は夜8時半、そこで問題発生!荷物を他の人に持って行かれてしまった。事情はわかる。何故ならば全く同じブランド、タイプ、大きさ、色と全てが全く一緒だったのだ。考えてみれば1ヶ月前にフランスの空港で私が同じミスをしてしまい相手に多大な迷惑をかけてしまったことがある。そのように考えると間違えてしまった人には同情してしまうし、妙に怒る気にはならなかった。しかしエアカナダの対応には流石に憤慨してしまう。お客様のミスで起こった事件だがこちらは荷物を待っているのだからそのお客様が空港に持って帰ってきた時点ですぐに私に手渡してくれれば良いのにその連携は全くなし。Missing Baggage(持ち主のわからない荷物)ルームに放られた状態で見つかった。その間、私自身もたらい回しにされて2時間後にようやっと見つかった。このように考えると日本の航空会社は本当にしっかり対応してくれるな、と改めて彼らの価値を感じてしまう。

6月23日、この日は日曜日なので観光の予定。この日がいきなりクリーニング店訪問だったらと思うとぞっとする。私にはクリーニング店の説明や通訳をする大役があるのだ。昨晩はホテルに到着したとき、すでに夜11時をまわっていた。この日はナイアガラの滝を見に行ったり、周辺のワイナリーを訪問する予定になっていたので大きな仕事はなかった。
実は3ヶ月前にこのツアーの打合せをしにトロントまできた。私はその時に初めてナイアガラを訪問したのだがその時も水量の多さに圧倒されたものだった。その時は上から眺めただけだったが今回は船に乗って滝のすぐそばまで行った。ポンチョがなければ全身びしょびしょになってしまうくらいの水しぶき。海外に来たらこういう経験はやはりした方が良いと思う。多くの日本人は「遊び=無駄遣い」と考えているようだがJCPCの理事長である西川さんはこのような観光を「広い視野コース」と称しているのだ。私は賛成!せっかく来たのだから自分自身の心を豊かにしていく事は必要だと思う。

(ナイアガラの滝。真ん中に見えるボートに乗って実際に近くまで行った)

(JCPC理事長の西川さんと。この通りびっしょり!)

ここナイアガラ地域はワインの産地としても有名だ。と言うことで午後はワイナリー訪問をしたりして現地を楽しむことが出来た。私は現在、ワインスクールに行っているのでワイナリー訪問はとても心が躍る。今回はChateau des Chalmesというところに行った。やはり一番の売りはアイスワインらしい。この地域ではレイトハーベストと言って葡萄が出来てもすぐに収穫せず、11月頃まで残しておいて葡萄が完全に凍ってしまうときに収穫するのだ。凍っている葡萄を収穫するのだから完全手摘み、そして絞っても甘みのみが出てくるのでとても上質なデザートワインが出来ると言うわけだ。私はその中でも珍しい黒葡萄で作られたアイスワインを買ってみることとした。家に帰って飲むのが楽しみになった。

6月24日、お待ちかねのクリーニング店訪問。最初にトロント郊外のMississaugaというところにあるTSC Wetcleanを訪問した。店内にドライ機はなく、100%ウェットクリーニングをやっているお店だ。オーナーのDinoさんに言わせると「4%の商品はウェットクリーニングが出来ない。しかしほぼ全ての商品をウェットクリーニングしているよ」と力強いコメント。このツアーに参加しているみなさんもかなり興味を持っているのがよくわかる。何故ならば大体100%ウェットクリーニングなんて出来るわけない、と思っているのだから。私はこのウェットクリーニングのやり方を見て改めて「洗剤の力」がカギと感じた。彼らが独自で開発したこの洗剤は簡単に日本には入らないが今後日本の薬品メーカーも開発に力を入れてくることだろう。残念ながら日本ではまだウェットクリーニングを本気で考えているクリーニング店は少ない。少なければ開発してもメーカーは売り上がらない。と言うことは投資出来ないのでいつまで経っても新しい商品は顧客に届かないのでもっと本気になってもらいたいモノだ。

(やはり洗いが一番のポイント。皆さんの関心がすごい!)

(実演しながら説明するDinoさん。丁寧にいろいろ教えてくれた)

(一部の参加者の洋服を実際に入れてみた。結果は?)

参加者の洋服も実際に洗ってもらった。洗い、仕上がり終わったものを見てみると全てがOKとは言えないのもわかってきた。やはり縫い糸が吊れてくる。これではNGだ、と一部の参加者が言う。それはもっともな話ではあるのだが、そういう人に限って否定的なところしか見ない傾向がある。一方で「思った以上に出来ているし縮んでいない。すごい!」という人もいる。同じモノを見てここまで感じ方が違うのはやはり最初から否定的にしか思っていない人と肯定的に考えてみたい人の差があるのだろう。
ここで私に見えた問題点はやはり仕上げだろう。オーナーのDinoさんは洗いに対してはとても強い論理を持っているが仕上げになると人の手で時間をかけて引っ張る事をしなければ縮んだ部分を伸ばす事は出来ない、と思っているようだ。参加者達はこの手間を嫌がるだろうし、これがもう少し自動で出来れば考えても良いと思っているのだろうか・・・。問題の起こった洋服は全体の2〜3%程度だがこれを撃退出来る仕上げの力は必要だ、と改めて感じた訪問だった。
ただDinoさんのこの活動に私は心から敬意を表したい。ここまでとがったモデルを作り、人々に訴えるのには相当な苦労があったはずだ。なかなか出来る事ではないし、そして我々を迎えてくれた事に心から感謝したい。

午後は地域のチェーン店であるSketchley Cleanersを訪問した。このブランドは昔イギリスで隆盛したブランドである。やっている事はとても現実的でドライクリーニングも存在している。ドライクリーニング全体の40%がウェットクリーニングという状況に驚きは隠せないものの参加者達の顔色が一気に落ち着く。それもそのはず。何故ならば日本人にとってとても現実的な工場がここにあったからだ。ほとんどの人がドライクリーニングを無くすことは出来ないと思っているだけに現実的な工場を見て安心したのだろう。ただアメリカも含めて日本で使われている第二石油(Petroleum)トランスファー方式は法律で使えない。このやり方がいつ日本でも禁止されるのだろうか?これは大いに業界にとって脅威である。

このカナダツアーではウェットクリーニングへの理解というお題目で皆さんに見てもらった訳だがいろいろな気づきを提供出来たのではないかと思う。TSC WetcleanとSketchley Cleanersの二社には本当に世話になったと心から感謝したい。

アメリカの展示会を終えて

皆さん、こんにちは。

先日の6月20日から23日までアメリカのニューオリンズにて展示会が行われました。それにしても大きな展示会です。端から端まで多分500mはあったでしょうか・・・。文字通り世界で一番大きな展示会です。もちろんランドリー業界がそのうちの2/3を占めていますがこうやってみるとまだまだ大きいな、と感じます。

(クリーンショーの入り口。今年も本当に大きかった・・・)

(三幸社のブース。とても良いデザイン!と多くのお客様にお褒めいただきました)

(我がメンバー達。みんなよく働いてくれました!)

ただ実際の中身をみてみると本当に新しいモノがありません。先日、フランスの展示会についてお話しをさせていただきましたがこの展示会も本質はあまり変わっていないのが実情でしょう。訪問された皆さんに話しを聞きましたが「新しいモノは三幸社以外どこにもない!」とおっしゃっていました。悲しい話しですがこれが現実です。

それでは我々は何を出したか?ということですがいくつか出しました。日本ですでに発売している静止洗浄機SW-100、そして静止乾燥機DS-300です。洗浄機の特許を持っている九州の近藤さんに依頼されて開発したわけですが、私は最初からアメリカで受け入れられるだろうと予想はしておりました。しかしここまで大ヒットするとは思いませんでした。今回初めて出展したのに即決だけで10台はあったと聞いております。では何故そこまで人気があったか、と言うとウェディングドレスです。日本ではどのくらいの関心があるかわかりませんがアメリカではウェディングドレスは一つの大きな利益商品です。しかしドレスにはいろいろ飾り物が付いているためにドラムに突っ込むことができない、しかし洗剤などでつけ込んだところでこびりついた汚れなどはなかなか落ちない、ということでとてもやっかいな商品なのです。そんな中で我々の静止洗浄機がリリースされたことで今回の展示会の一番の目玉になりました。

あともう一つ大きな目玉は包装機に搭載されたラベル印字機です。これは我々の製品ではないのですが昨今の人件費の高騰からこの機器を設計した会社と協力したモデルになります。包装された洋服の中身がなんなのか?が自動でラベリングされる機械でこれは人件費の低減に大きく貢献する、と言うことで大きな関心を呼びました。とてもアメリカらしい機械と思いますが、ある意味将来の日本に必要な機械とも言えるかもしれませんね。

(弊社の自動包装機。横から入って横から出るタイプですが、一見普通です!)

(これは出てきた洋服。左上に印字されたシールが自動で貼り付きます)

(これがそのシール印字機。データをここで読み取り印字してそのフィルムの上から自動で貼り付ける、というもの。なかなか面白い!)

というのも自動ソーティング機や自動お渡し機などがアメリカでは本当に注目されているのです。それだけ人件費の高騰がアメリカでは大きな障害となっており、できるだけ自動で出来るところは自動でやっていこう、というアメリカのブームがまさに現在やってきているのです。日本も近い将来そういうブームがやってくるのでしょうね。

そんな事で今回も弊社ブースはとても活気がありまして初日の夜に開催されたウェルカムレセプションも300人以上のとても大盛況なパーティーとなりました。ここまで顧客に囲まれたパーティーですので我々に対して抱いている期待は高いと言えるわけですが、それだけにプレッシャーはあります。やはり考える事は顧客の更なる利益はどのように作られるのか?を我々なりに考えて提案する事かもしれません。最近のコラムで業界のイノベーションはクリーニング店以外で起こすことは出来ない、と書きましたがこちらが考えを提案する事は出来ます。その役割こそが我々なのかもしれません。
これからも頑張って機械作りに奔走したいと思います。

次回はJCPCアメリカ・カナダツアーの詳細をお送りしたいと思います。

ここ3ヶ月のおさらい

皆さん、おはようございます。

これからアメリカに行ってきます。現在成田空港ラウンジです。予定よりも3日間遅れてしまって申し訳ありませんでした。「何を書こうかな〜」と思っていたのですが、考えてみればここ3ヶ月間くらいは日本のクリーニング業がこれからどんな事を考えて行くべきなのか?というお題目であれこれ書いていましたね。

それもそのはずで、やはり今年も多くのクリーニング店で売上の減少傾向が続いているのです。当然、我々の売上もそれに合わせて影響しておりまして日本での三幸社の売上はかなり落ちています。ここからも「クリーニング店が儲かっていない」という事を確認する事が出来ます。幸いにも弊社は海外の比率がとても高いので十分に補填は出来ているのですが・・・。しかし、母国である日本の業界が大きく縮小している事については大いに憂いを持たなければなりません。

と言うことでこの3ヶ月間でどんな話しをしてきたのか、もう一度おさらいしてみたいと思います。ポイントから言うと

1.業界は大きな縮小傾向にあって各社は変化しなければ衰退を免れない

2.一番の問題点は表現力。自社の価値を豊かに表現出来れば今後も安泰!

3.しかし表現するためには確固たる品質が必要。皆さんはそれを本当に持っているのだろうか?

4.プロの品質とは何か?それを定義し、表現することで家庭洗濯との差別化を図るべし!

5.一番考えるべきはワイシャツ。ワイシャツをもっと白く、綺麗にする事が大切!

6.家庭洗濯のワイシャツはどうして綺麗にならないのか?その差をしっかり説明しよう。

7.しかし新規顧客を獲得するのがとても難しい時代。これからどうやって獲得するか?

8.スニーカークリーニングが一番の方法!これを利用して新規顧客を獲得せよ!

9.その新規顧客に4番の差別化をしっかり説明出来るようにしよう!!

10.表現力で必要なのは「無駄なことに金をかける」こと。それが価値につながる。

こんな感じだったと思います。

ここに利益率と原価率の話しが加わってきて最終的に自社のビジネスは上手くいっているのか?という話しにつながると思うのです。私は日本だけでなく海外のクリーニング店も含めて工場原価率の設定が意外と高いのではないか?と感じています。要は店舗や商品のラッピングを含めた表現力にお金をかけることが出来ないビジネスモデルを組んでいることに問題があると思うのです。それではどのくらいで原価率設定すれば良いのか?と言うのが今後のお題目です。

これは同じ数字設定が出来ないと思います。量でビジネスを攻めたいのか?それとも量は少量でも品質重視で利益率大で攻めたいのか?考え方は様々です。そもそも原価率は原価を下げることばかりではなく定価設定を上げる事で原価率を下げることだって出来るのです。「しかし、定価を上げるのは難しい!」と考えるクリーニング店は多いでしょうね。その気持ちを振り切って新しい時代に即した新しい料金設定と品質表現をした会社のみが残っていけるのだと思います。

そのために新サービスをスタートする必要があるでしょう。ウェットクリーニングも有り、スニーカークリーニングも有りです。新しい事を加えることで会社のイメージをアップグレードして全体的に料金を改定していく、というのはとても大切なタイミングです。自分でタイミング作りをしなければいつまでたっても値段を上げることさえ出来ません。

このおさらいを是非考えていただき、今後のビジネスの足しにしていただければ幸いです。またこれからも海外の面白い情報はご紹介したいと思います。厳しい時代ではありますが是非頑張って良い商売を続けてください。

フランス展示会をみて考える業界の将来

皆さん、こんにちは。

先月ですがフランスに行ってきました。フランスは個人的にとても好きな国なんです。何故ならば最高峰のワインがあるからです。今回は2日間だけブルゴーニュまで足を伸ばしてワインの旅をしてきました。私もブルゴーニュを訪問したのは初めてで今までは名前しか聞いたことのなかったところをいろいろまわってきました。おかげさまでかなりブルゴーニュの事がわかるようになりました。それにしてもなんておいしいワインなんでしょうね・・・。皆さんには申し訳ないのですが個人的にとても楽しい旅をさせていただいちゃいました!今回は私の両親も一緒につれて行ったのですが思い出に残る旅が出来ました。

(有名なクロ・ド・ヴージョ。当時のシトー派の教会だったところです。この周りは特級のヴージョの畑でした!)

(誰もが知っているロマネ・コンティの畑。両親と記念に一枚!)

(この旅で最高と思ったワイン。ジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニ。エレガントな香りで最高の味わいでした!)

さて、楽しい旅から一転、5月19日から21日まで展示会があり我々も出展して来ました。ここで一気に現実に戻されるのですが、なんと寂しい展示会だっただろうか・・・。2年に一度の全国展示会というのに来場者が3日間を通して延べ1000人も来ないのです。業界が衰退しているのがよくわかります。

(フランスの展示会、JETという名前です)

そして出展しているメーカー達も新しい提案が全くないのです。出しているのはドライ機、洗濯機、コイン、ドライ溶剤、ワイシャツ仕上げ機とこんな程度です。我々も決して新しいモデルを出していません。敢えて言うならば静止洗浄機ハイブリッドを参考出品した程度です。参考出品だから人々もまだ真剣に考えることはありません。結局、この展示会は総合的にみると失敗と言えるでしょう。

(我々のブースです。初日だからまだ人だかりがありましたが・・・)

(2日目の後半。もはやコアラも仕事がなく我々の機械を見学!笑えません・・・)

何故こんな状況になってしまうのでしょうか?メーカーにも大いに責任はあります。何も新しい物を持ってこないのですから。ただ問題の本質の多くはクリーニング店にあります。業界のイノベーションはクリーニング店でしか起こすことは出来ません。残念ながらメーカーでは無理なのです。

理想は

  • クリーニング店が新しいサービスを開始する構想をまとめる
  • メーカーらにそのサービスが円滑に進められるような機械、材料の開発をしてもらう
  • メーカーらがその開発を終えてクリーニング店に納品
  • クリーニング店がそのサービスをスタートしていく

とこのような順番でしょう。メーカーは顧客からのニーズを知らされない限り新しい事をスタートする事は出来ないですし、クリーニング店が進めてみたいという欲求がなければ何も事は起こらないでしょう。

フランスの展示会では残念ながら何も新しい物がありませんでした。もはやクリーニング店にその力がないのか?いずれにしてもとても寂しい話しです。展示会で会った一部の人々に日本で今ホットになりつつあるスニーカークリーニングの話しをしたらとても興味を持っていました。しかしこれだって韓国でビジネスが始まり、最近日本でも一部のクリーニング店が力強くやり出したからメーカーがソリューションを作る事が出来る、とこういうことです。誰も始めなければ我々メーカーが主導する事など出来ません。

来年、国際クリーニング会議が5月22日から24日までオーストラリアはメルボルンで開催される予定になっておりますが、この場でもスニーカークリーニングのビジネスモデルをお題目にしようと考えております。そんなにあれこれモデルを簡単に作れないことを考えるとこのスニーカークリーニングは次世代の世界的モデルに仕立て上げることが出来るかもしれません。私も精一杯活動してみようと思います。

我々はPTBプロジェクトというメーカーでのグループ活動をしております。今まで「ポロシャツ、Tシャツ、ブラウスプロジェクト」「ワイシャツ縮み防止プロジェクト」「ウェットクリーニングプロジェクト」とやってきましたが、どれも我々メーカーがトライした事でクリーニング店が言い出しっぺではないのです。結果としてなかなか取組が広がりません。しかし今回の靴クリーニングについては大いに可能性を感じます。

皆さん、是非ご検討ください!何もしなければ必ず衰退しますよ。

ブランディングってどうやって出来る?

皆さん、こんにちは。

前回は「価格改定を考える為に商品価値とお店のブランディングを創造する」と「工場の人件費を如何に下げるか?」の二つについてお話しをしてみました。

今回はアメリカのバージニア州リッチモンドにあるPuritan Cleanersを紹介してみたいと思います。何故ならば彼らのブランディング戦略がとても素晴らしいからです。会社の繁栄はどうやって出来るのか?と考えるときに何か一つだけでは上手くいかないことは皆さんもご存じでしょう。この会社はそれが経営者と経営チームから社員までが理解出来ていて確実に実行していることが繁栄の源になっていると感じました。

さて、それでは何がすごいのでしょうか?お店のルックス、社員の笑顔、商品の品質などは会社の方針に対する結果です。私は今回初めて訪問したのですが本当にびっくり。当たり前の事ですがお店が本当に綺麗なんです。そして開放感あふれるスペース。社長の奥様がデザイナーなので彼女にやってもらったとか・・・。それだけではありません。工場もとても綺麗!機械も一つひとつがとても綺麗で手入れがしっかり行き届いているのです。

(本社店舗の看板。こんなに描いてもらっちゃいました!)

(とても綺麗な店舗。クリーニング店なんだからこうあるべきですね!)

しかも私が訪問したときには「貧しい子供のために10万食集めよう!」という一種の募金活動をしておりました。これはお金ではなく家庭に残っている食べ物を寄付して欲しい、という社会貢献活動です。これに参加した顧客が特別なディスカウントをお店から受けられる訳ではありません。しかしみてみたらお菓子、即席麺、シリアルなどいろいろな物が寄付されていました。

(貧しい子供のためのキャンペーン)

(これらはお客様からいただいた一部。わかるように店頭で見せています)

もう一つとても気になったのは社員達の笑顔です。このクリーニング会社はとても大きな会社で社長が全員を覚えていることなど出来ないし、もちろん毎日顔を合わせている訳ではありません。私が訪問したときに社長と副社長がいくつかのお店や工場を案内してくれたのですが、その際に社長が工場にいる社員一人ひとりに握手しながら彼らの目をしっかり見ながら「いつもありがとう!」と声をかけているのです。「これだな!」と思いました。
もちろん、社員教育もいろいろやっている会社です。ただそれはやり方に過ぎません。一番大切なのはトップが社員に対して接する姿勢なのだと思うのです。自社を良くするためには社員にも一緒に取り組んでもらわらければならないのです。その社員が快く取り組むのか、それとも仕方なく取り組むのか、は経営者と経営チームの考え方で決まると思います。Puritan Cleanersの社内方針を公開する事は出来ませんが、そのうちの一つ「人」が全てを決める、と考えている事だけは紹介したいと思います。

(社長が現場社員に挨拶している風景。とても暖かい雰囲気でした!)

Puritan Cleanersでは自社独特の人的資源管理(Human Resource Management)を行っていますがやり方はいろいろあると思います。人を大切にし、一緒に会社の繁栄に取り組む。そして得た成果を全員で喜ぶ、という経営姿勢が最も根本であるべき姿なのだろう、と感じた訪問でした。これがあるから店舗をどのようなイメージにするか?が決まりますし、クリーニングの品質はどうすべきか?という方向性も決まります。何故ならば経営チームが現場の意見をよく聞くからでしょう。一方で現場も経営チームに意見をする事が大切と思っているでしょう。このような労使関係会社を繁栄させる源だと強烈なインパクトを覚えて帰ってきました。

間違いなく繁栄し続ける会社です。なんとも心がとても洗われた訪問でしたし、久しぶりに「良い会社だな〜」と感じました。これからも頑張って欲しいですね。

上がり続ける人件費にクリーニング店はどう対応する?

皆さん、こんにちは。令和という新元号になって初めてのブログです。なんか新年を迎えた気分ですがこれからもよろしくお願いいたします。

4月の最終週にアメリカを訪問してきました。またアメリカの気になったクリーニング店の紹介は改めてさせていただきたいと思います。ところで今回、私がアメリカの旅を通じて一番印象に残った事柄は「人件費」でした。日本でも働き方改革という政府の新しい方針によって人件費が確実に上昇を始めています。人件費が上がると言うことは人々の暮らしにおいて決して悪いことではないと思うのですがクリーニング業に関して言うと一種の死活問題に関わってきます。何故ならばクリーニング業は人の手を必要とする業種だからです。他の多くの業種では様々な自動機、特にITを駆使した端末を用意する事で人に頼らない対応を取る店が増えています。しかし、クリーニングは店舗でも工場でも判断や細かい作業に人を使わずして成り立たないのが現状です。入ってくる洋服一つひとつが全く違う物だからでしょうね。

先日のアメリカでは人件費が必ずと言っていいほど訪問した顧客との話題になりました。私はバージニア州、ロードアイランド州、マサチューセッツ州と旅してきたのですがどの地域でも人件費の高騰に頭を悩ませていました。その最低賃金の上昇がすごい!ボストン周辺ではもう$15.00まできています。これは最低賃金なのでもちろんこの金額では誰も働く人はいなく、大体$18.00〜$19.00が相場と言われていました。現在のレートは110円位なのでおおよそ2,000円と言うことになります。サンフランシスコ、ボストン、そしてニューヨーク、シカゴ辺りは本当に人件費の高い町になっています。

だからボストンになると飲食店などの値段も高いのです。もちろん人件費がかなり影響していると思いますが、普通に飲食したらすぐに一人あたり$30.00位取られます。ある晩に私の会社の社員2人とオイスターバーにて食事をしました。そのときにワインを2本空けましたが食事は普通にハンバーガーなどごく一般的な物です。それでも会計をすると一人$100.00もかかってしまうのです。これが人件費に相応する価格なのか?と驚きを隠せません。

さて、人件費が上がるとクリーニング店はどのような対応をしなければならないか?と言うのが本日の私からの投げかけです。アメリカでは多くのお店が価格に転嫁しています。ボストンのクリーニング店ではワイシャツがおおよそ$3.50くらいの値段になっています。$3.00を割り込むととても良心的な価格と思ってしまうほどです。ズボンはおおよそ$10.00なのです。日本の皆さん、こんな価格を顧客にチャージ出来ますか?多分、多くの皆さんは「難しい!」と言うのではないでしょうか?
そうなると今度は工場の自動化、小人力化を図らなければならないのです。工場のコストで一番高いのは人件費、もはや機械の購入費ではないのです。別に三幸社の機械を買え!と言っているわけではないのですが仕上げは一番人の力がかかるところですから検討の余地はあるでしょう。
もう一つはできあがった洋服の仕分けやお渡しの部分です。アメリカではここら辺をずいぶんと自動化しています。日本の人件費はアメリカに比べてまだ半分というイメージですが今後徐々に上がっていくことでしょう。そうしたらいつまで現在のスタイルで続けられるでしょうか?そろそろ考えておかなければならないのではないでしょうか?

私が提案したいのは二つ。一つは「価格の改定とそれに合わせた商品価値、ブランディングの創造」です。もう一つは「工場の人件費を如何に下げるか?」です。是非考えて見てください。

今後のクリーニング業界をどう見るか? その4

みなさん、こんにちは。

前回は靴クリーニングの可能性についてお話しをさせていただきました。さて、みなさんはスニーカークリーニングを通じて新規顧客獲得の重要性をどれだけ考えていただけたでしょうか?もう一度おさらいしておきますが、このスニーカーを含めた靴クリーニングは自社の将来を占う大切な商材であることを強調しておきたいと思います。時代が変わり、我々の業界を使ってくれる人々が変わってきています。当然、クリーニングの形態も時代と共に変わらなければならないのです。しかし、どれだけの会社が時代の変化に合わせて自社のサービスを変えてきたでしょうか?私が見る限りほとんどの会社、お店がしていないと思います。「誰かが新しいサービスを試してうまくいかない限り自分もやらない」という時代は終わりです。むしろ自分が率先して変化の波に飛び込んでいかない限りお店の価値を変える事は出来ないのです。そんな意味でこの靴クリーニングは格好の材料と言えるでしょう。是非考えて見てください。

さて、それでは今回の本題です。さっそく靴クリーニングを始めてみた、としましょう。そして新しいお客様が来店したとします。さて、皆さんはそのお客様に何を売り込みますか?なかなか難しい質問だと思います。ワイシャツを勧めるでしょうか?それともドライクリーニングを勧めるでしょうか?そもそも来店したお客様はクリーニングを通常利用しているお客様でしょうか?それともしていない人でしょうか?なかなかわからないでしょう。そのような状況で何もお店の価値を伝えることは出来ないでしょう。

私はここで提案したいのはウェットクリーニングです。そもそもドライクリーニングってなんでしょうか?それすら知らないお客様はざっと90%以上、もしかしたら95%以上だろうと推測します。だから知らないお客様はドライクリーニングで完全に綺麗になっている、と思い込んでいます。このままにしておいて良いのでしょうか?私はクリーニング業の衰退はこの考え方からスタートしていると思うのです。確かにドライクリーニングは楽で縮みのリスクもなければ乾燥してからの仕上げ工程はとても楽です。そもそもドライクリーニングは家庭では出来ない洗い方です。しかし完全に汚れは落ちていません。水溶性の汚れ(汗やおしっこの汚れ)はドライクリーニングでは落ちません。まず、ドライクリーニングの限界というのを正確に説明すべきではないか?と思うのです。

ポイントは今までの技術ではこれ以上の事をするのはかなりリスクが高いからやれなかった、という話しをすれば良いのです。決して我々の今までが悪かった訳ではありません。今まで出来なかった事を出来るようになった、と言うだけで自社の価値はさらに上がる事となります。今までの事をとやかく文句言うお客様はいないし、むしろ好感度が上がると推測します。もちろんドライクリーニングに対してウェットクリーニングは手間がかかります。リスクはもちろんあるでしょう。しかしリスクを負わないビジネスで上手くいくことはありません。手間をかけるからプロなのです。もっとプロの意識を持ってお客様に提案してみては如何でしょうか?

1990年代後半に一度大きなウェットクリーニングのブームを迎えました。しかしあのときはあまり成功しませんでした。そして今回の流れになっていますがこの20年間の間に洗濯機や洗剤の進化があります。それ以上にウェットクリーニングにおける知識が相当レベルアップしました。もう昔感じたようなリスクは現在はありません。実際に三幸社でもSW-100Jという卓上の洗浄機を作ってみました。最もリスクのある洋服であってもウェットクリーニングは可能になりました。実際に洗濯機と同等の洗浄力があることがすでに証明されています。あとは乾燥そして仕上げ工程となっていきますが、これらの全てがすでにシステムで完成しています。ソリューションとして成り立っているならば、考える事はどんな価格でどんなプロモーションをかけるか?です。

真剣に考えてみてください。このウェットクリーニングこそ家庭では出来ないクリーニングです。人に出来ない事が我々は出来る!と言うのが商売の原点ではないでしょうか?そのような武器をどれだけ持っているのか?を是非考えていただきたい。皆さんの今後のビジネスに必ずやプラスとなる事でしょう。頑張ってください!
何か質問がある方は是非個別でも結構ですのでFacebookで私を見つけてメッセージをお送りいただくか私の会社メールアドレスにご連絡ください。k-uchikoshi@sankosha-mfg.com

今後のクリーニング業界をどう見るか? その3

みなさん、こんにちは。

 

さて、それでは話しの続きです。前回は「攻めの営業とは?」ということでお店や商品のビジュアルについてお話しをさせていただきました。ただ前回のお話しを読んだ皆さんは「ん?では見た目さえ変えれば売上は上がるのか?」と疑問に思ったに違いありません。半分は正解です。見た目が悪ければどうやって自分たちのやっている事が正しいと証明出来るでしょうか?人間というのはそもそも第一印象で相手の事をおおよそ嗅ぎ取り判断してしまうからです。御自身が外食をするときにどうやってお店を選ぶか?を考えてみると良いです。大体、見た目の悪いお店に情報もなければ入ろうとはしないでしょう。外食産業には評価するアプリがあるのでほとんどの人はそれを見ながらお店を決めていると思います。しかしクリーニング業界にはそういうアプリがありません。故に人々は何で判断するか?というと見た目で判断せざるを得ないのです。そういう意味では私が前回のコラムで書いた内容は半分当たっているのです。

それでは今後何をやっていけば良いのでしょうか?人々がお金を払ってもお願いしたいことは「自分では出来ない事」か「自分でやろうとしたら出来るがとても時間、労力がかかって大変」というモノに対してだと思います。それは我々の業界においては何でしょうか?

私は最近とても大きな流れを作っているスニーカークリーニングが一つのソリューションだと思います。何故ならば「誰も洗うという概念を持っていなかったから」です。もう何年も前から韓国ではこのスニーカークリーニングは産業として成り立っていました。しかし日本の誰もがこれを注目してこなかった、いやそもそも知らなかったというか知ろうとしなかったとしか言いようがないです。自分のビジネスが順風満帆であれば誰が新しい試みなどやるだろうか?しかし、昨今の売上減少で多くのクリーニング店が変化を考え始めてきました。そこにスニーカークリーニングが見事にマッチしたのです。タイミングとしか言いようがありません。

そしてこのコラムを作っている途中にあるクリーニング店を訪問し、そこでその社長様といろいろなお話しをしているうちに一つのことに気づきました。昨今、顧客のクリーニング離れが顕著になっておりますが、我々はどうやって新規顧客を獲得しようと考えているのでしょうか?多分皆さんは諦めてしまっているのではないでしょうか?私も若干諦め気味にはなっておりました。と言うのも洋服の新しいクリーニング方法だけで人々を獲得するのはとても難しいと考えていたからです。何らかの新しい事でもやらなければ難しいだろうと本当に思っていました。しかし、この靴クリーニングはどうやら新しい顧客獲得に結びつく可能性がある商材と思いました。何故ならば「人間ならば誰でも靴は履いているから」と言うことと「靴を洗うという概念がなかったから」です。後はこのプロモーションのやり方です。例えばインショップを持っているクリーニング店であるならばスーパーやショッピングモールにいらっしゃっている消費者に向けてビラまき、イベントなどを通じて自分たちが新しい靴クリーニングをやっている事をアピールする事は出来るでしょう。そうすることで普段はクリーニング店を利用していない人々にもお店に来てもらえるチャンスが出来る、と言うわけです。一方でインショップをお持ちでない皆さんでも何らかのプロモーションは出来ると思います。例えば新聞の折り込みチラシ、自分たちでチラシを各家庭のポストに入れるとか・・・(かなりアナログなやり方ですが)。ネットを持っていたらもっとホームページでアピールするのもありですし、お試しキャンペーンもありですね。とにかく、靴を通じて新規顧客開拓を目指したやり方でいけば少しはポジティブに活動が出来るのではないでしょうか?

このスニーカークリーニングは全国で展開してもらいたいと心から願っています。全てのクリーニング店に適用出来るソリューションです。しかし洗えば良いと言うわけではありません。もう一度私の前回と前々回のコラムを読み直しながらこのスニーカークリーニングの可能性を考えていただければ私の言いたいことがわかると思います。顧客に出来ない事を我々がやることで人々はお金を我々に使ってくれるのです。是非検討してみてください。
ちなみに。三幸社もついに乾燥機を販売し始めました。70足用乾燥機は定価88万円。35足用が定価62万円にて4月1日から販売スタートいたしました。何か質問がありましたらご遠慮なく地域の販売代理店、弊社スタッフ、もしくはFacebook経由で私に直接ご連絡いただいても結構です。ご連絡お待ち申し上げております。

次回、もう一回だけ続きをお話しさせていただきます。

今後のクリーニング事業をどう見るか? その2

皆さん、こんにちは。

前回に引き続き今後のクリーニング事業の展望について私の意見を綴ってみたいと思います。それにしても前回のコラムを発表した日から翌日の2日間だけで500名以上の方に読んでいただけました。このブログを書き始めて最高の反応だったのです。人それぞれ思う事はあるのだろうと思いますが、皆さんは「これからどうやっていこうか?」とかなり悩まれているのだろう、と強く感じました。

さて、それでは話しを続けてみたいと思います。クリーニング業が衰退を迎えているもう一つの理由はズバリ「表現力」と思います。表現力とはなんでしょうか?自社の持っているこだわりを何らかの形で顧客に認識してもらう力が表現力と考えています。私は世界中のクリーニング店を見て回っていますが、私が一番感じることはその表現力があまりにも乏しいと言うことです。

考えてみれば無理もない話しです。昔クリーニング業というのは無理して顧客に呼び込みをしなくてもお店に人が集まっていた歴史があったわけです。それはウール製のスーツです。そもそもウールは水洗いが出来ない事からクリーニング店に持ってくることしか綺麗にする事が出来なかったわけですし、現在も基本路線は変わっていません。それではワイシャツはどうでしょうか?昔のワイシャツは厚手の生地、オックスフォード地などが一番良いとされていた時代です。家庭のアイロン技術では太刀打ちできないシャツだったのでこれも自動的にクリーニング店しか出来ない洋服と定義づけられていました。そこにドレスコードという社会のルールが存在していた訳ですからクリーニング業界においては鬼に金棒の周辺環境だったわけです。展示会を想像してみてください。出展者のほぼすべてがクリーニングの技術に関する会社ばかりじゃないですか?当時のビジネスモデルの流れに沿ってクリーニング店が技術ばかりを追う傾向になっていたわけですし、それに伴って技術系のメーカーや商社ばかりが集うようになってしまったのです。

さて、現在はどうでしょうか?前回のコラムに書きましたが、もはやクリーニング店にとって不利な条件がそろい始めています。形態安定シャツ、家庭洗濯出来るスーツ、家庭洗濯機の技術向上、洗剤の技術向上、そしてドレスコードの崩壊(いわゆるカジュアル化)によりそれまでのビジネスモデルが全く通用しない周辺環境になってしまったのです。ここで皆さんが考える事は何か?というと「守りの経営から攻めの経営」にシフトしていく事なのです。この考えを全く持たない会社は間違いなく消滅していくでしょう。

それでは攻めの経営とはどういうことでしょうか?言葉だけで考えると難しいかもしれません。簡単に言うと「如何に顧客に興味を抱かせるか?」です。顧客はクリーニングの技術について全く情報を持っていません。だから何で判断するか?と言うとまずは「店舗の見た目」なのです。ただ単に店を綺麗にすれば良いのではありません。前回のコラムでもお話しいたしましたが、会社が考える「こだわり」を店舗を通じてどのように顧客に表現するか?をベースに店舗イメージを作るべきなのです。少々嫌みを言わせていただきますが、クリーニング店経営者のほとんどの方が店舗や商品のラッピングにお金を使わなさすぎです。それぞれの洋服がお店の最高の技術で綺麗になるのですが、それを美しいラッピングで返されると本当に綺麗になったように表現出来ると思いませんか?店舗も然り!多くのクリーニング店では店舗を10年以上、もしかしたら20年以上も改装していない状態です。その地域で生まれ育った人々はもはやそのお店を自分のお店とは考えないでしょうね。何故ならば自分の両親の世代のお店だからです。変わっていないんだから当たり前です。もっとビジュアルで訴える力が必要でしょう。

前回のコラムでワイシャツの事についてお話しをさせていただきましたが、今回も例としてワイシャツについて考えてみましょう。最近、多くのチェーン店が中心となってワイシャツをスーツと同じハンガー形態にして自動包装機で包装しています。理由を聞くと「コスト削減」が最も大きな理由です。それまで多くのクリーニング店ではユニークな形でワイシャツ包装をしていました。今も畳みで提供しているお店も残っていますがこれも一種のこだわりです。それをコスト削減と言うことでこだわりをなくしてしまう、と言うことは会社にとってとても大きな価値損失になるのではないでしょうか?自分たちはどうしてこの形にこだわるのか?を考えて商品を表現すべきと私は考えます。同じようにウール製品などはどのように表現したら良いでしょうか?これも皆さんで是非考えていただきたいと思います。

多分、このお話しにまだ消化不良を起こされている方がいらっしゃるのではないでしょうか?実際私もまだ書き切れていない事がありますので次回はもう一回、今後のクリーニング業というお題目で書かせていただきたいと思います。それまでに是非皆さん自身でお店や商品のビジュアルを「攻めの営業」として考えていただきたいですし、周りの皆さんと話しのネタにしていただければと思います。

今後のクリーニング事業をどう見るか? その1

みなさん、こんにちは。

今回はどこかの地域のクリーニング事情ではなく今後の日本のクリーニング業について話しをしてみたいと思います。

それにしてもクリーニング離れが進んでいる世の中になっています。皆さんのビジネスは大丈夫ですか?多分、このコラムを読まれている大半の方々が「まずい!確実に対前年度で売上が落ちてる」という感じではないでしょうか?実は三幸社も然り!クリーニング店の売上が落ちると機械の入れ替えなどもだんだんとなくなってくるので弊社の国内販売の落込みは結構なモノです。

まさに日本はアメリカの50年前である1960年代に起こった現象と同じ状況を迎えております。当時アメリカでは日本と同じように大きなクリーニングチェーンが山ほどありました。しかし景気の落ち込み、形態安定シャツなど家庭洗濯可能な洋服の出現、家庭洗濯機の機能向上などが原因でクリーニング店の売上がどんどんと落ちていった時でした。同時にそれまで安価な労働力として使っていた黒人の社会台頭が著しく、彼らの労働賃もぐんぐん高くなっていったことから今までの工場モデルが成り立たなくなったのです。結果として多くのクリーニング店が廃業、売却、M&Aなどがすすみました。そしてそれまでのビジネスモデルではもはや成り立たない事を当時の経営者達は理解し、自社の事業転換を図っていったのでした。

こうやって見直して見ると日本の現在とかなり似ております。アメリカの60年代を考察しながら我々が同じ道を進まないようにして行くにはどうしたら良いでしょうか?ここが今回のお題目となります。

最近、私はいろいろなクリーニング店経営者の皆さんとお話しをするにあたって同じ質問をしております。それは「クリーニング店では本当にお客様に対してプロの価値を提供しているだろうか?」と言うことです。さて、プロの価値ってなんでしょうか?もちろん家庭では出来ないクリーニング店ならでは、の価値と言うことになると思います。それでは具体的にその価値とはなんでしょうか?これを皆さんには是非考えていただきたいと思います。

私はここでワイシャツを例に挙げております。ワイシャツはウール系の洋服と違い水洗いの洋服です。だから家庭でも洗えるしクリーニング店に持ってくることも出来る洋服です。このワイシャツが減っているとするならば「顧客がクリーニング店を利用する価値を感じなくなってきているのではないか?」と推察します。考えてみればクリーニング店が価値を訴えるべき点は沢山あります。50℃近くの温度を使って洗っていること、これは最大の価値です。家庭洗濯では使えない業務用洗剤や化学薬品はいろいろありますがそれを使いながら白さへの追求を図っているのも価値です。一方で洗剤などをワンショット剤などにしているお店は本当に考え直した方がいいと思います。一番の価値である洗いの品質にもはやこだわりもないお店は間違いなく衰退するでしょう。顧客というのはそのような品質を出した洋服から瞬時に理解してしまうのですから・・・。

一方で仕上げを考えてみると最近の形態安定シャツは温度を嫌います。140℃以上の熱でプレスされ、そのプレス時間が長すぎると必ず縮みます。もはや昔のワイシャツと違うわけですから当然工場のコンセプトもそれに従って変えていくべきです。しかし、この部分では取り組んでいるクリーニング店はほぼゼロです。形を崩している部分で考えると現在のクリーニング店の品質は家庭洗濯よりも劣っていると言わざるを得ないのが現実なのです。昔のワイシャツであれば綿100%のワイシャツは完全乾燥しなければ波立ってしまうので押さえすぎがちょうど良かった訳ですが現在ではこの状態を「過乾燥」と呼びます。無論、型崩れの原因となるのです。

ほんの一部の価値を例として挙げてみましたが皆さんはどのくらい自社のワイシャツにこだわりを持っていらっしゃるでしょうか?こだわりを語れないとするならばその会社は大いに問題があると思いますし、売上が減るのもうなずけます。

今回はクリーニング店の価値という主題でワイシャツを例に出しながらお知らせいたしましたが、ウール製品などはどうすれば良いと考えるでしょうか?ありとあらゆる洋服に対してどのように考えて行くべきか?を是非考えて見てください。ヒントはこだわりと思います。

次回のコラムではそのこだわりをどのように表現するか?などを一緒に考えてみたいと思います。