フランスの展示会 その1

皆さんこんにちは。

一昨日、日本に帰ってきました。4泊6日という短い期間でしたが、久しぶりのヨーロッパでした。今回はフランスのパリでクリーニング業界の展示会があリました。2年に一度の展示会なのですが、三幸社はこの展示会にもう何回目だろうか・・・、すでに5〜6回は出ていると思いますが、今回も出展したので私も行ってきたのです。

いつも思うことですがこの展示会を見るだけでフランスの業界と国のライフスタイルがよく見えます。まず業界の特徴からいってみましょう。展示会には三幸社のワイシャツ仕上機を意識した対抗モデルがたくさん出ています。ほぼすべてがイタリア製。しかも元々はアパレル業界のために作られた機械が多少クリーニング業界用にアレンジされている機械なのです。

この機械はCocchiというイタリアのブランドですが、似たような機械が会場に5〜6種類はありました。

そのアレンジされたところですが、いろいろ工夫がされています。一番の対策は「濡れた」シャツを乾かすためです。アパレル業界ではできあがったシャツを濡らす事はありません。故に縫い目の部分などは乾きづらいのです。最近、各仕上機メーカーが対応しているのは肩部をプレスする機能です。これにより目立つ仕上がり不良を一気に改良しているのです。しかし、すべての縫い目をカバーしているわけではありません。特にポケット部においては依然として未対応。結局、仕上げている間に手アイロンでポケット部を当てている状態で、とてもじゃないけど生産性が上がるモデルとは言えません。結果として日本やアメリカのようなボリューム市場を十分に満足させるような機能には全くなっていないわけです。実際に彼らは日本市場を視察に来たこともないのです。アメリカでは一生懸命販売しようとしている姿はありますが、仕様を見ている限り日本やアメリカのマーケットを積極的に取り込もうとする意識はないのでしょう。

結果としてうちのシングルが大注目されることになります。早く乾くし、線はちゃんとつくし、パリッと仕上がるわけですから人々からするとこっちの方が良い、と群がります。しかし、価格を聞くとたじろぐのです。やはり高いには高いなりの理由がありますし、安いには安いなりの理由があるのです。お金がある会社、野心の強い会社は我々の機械を必ず買っていきます。お金がない会社、将来に希望を持っていない会社は他社の仕上機を買うのです。これはお客様次第なので仕方がありません。

クリーニング業を自社のビジネスとして考えた時にどんな方法でやっていくと永続するのか?をこの国の展示会を見るととてもよくわかります。皆さんも是非自社の価値、そして5年後、いや10年後のあるべき姿をイメージしながら毎日をお過ごしください。

次回はこの展示会から見えるフランスのライフスタイルについてお話しをしてみたいと思います。