Sankosha USAの代理店会議

11月19日。私はまたまた成田空港のJALラウンジに身を寄せている。今回もまたアメリカ、いつもながら行く回数が本当に多い。それだけ商売がアメリカにある証拠である。今回はアメリカ現地法人で行われる代理店会議に参加するためで国内営業で部長の伊達さんを連れて行く事になっている。理由はアメリカの代理店会議を経験してもらい、今後の国内代理店会議の開催方法において参考にしてもらいたいからだ。それまでのアメリカの代理店会議を通じて私は代理店がSankoshaブランドと共に活動しよう!と考えてくれている会社がとても多い、と感じている。一方で日本の代理店はそのように感じていないところがあまりに多いと思うのだ。この違いは何か?それを私だけではなく今回の伊達さんのような当事者達に感じてもらい、活動の仕方をしっかり改善してもらう事を目的にしている。

我々は同日の朝にシカゴに到着した。いつもながら思う事だが朝11時に出発したのに到着は同日の朝7時。何とも得した気分にはなるのだが、この朝の到着が何とも悩ましい。機内でワインをそこそこ飲んできたところでの到着が朝なのだ。これから仕事する気には到底なれないのだがこれしかチョイスがないのだから仕方ない。ちなみにANAだったら午後出発の便があるのだが私はJAL派なので元々選択肢には入っていないのだ

事務所へ到着。普通に仕事が始まる。午前から昼間では通常の仕事が出来る。しかし午後に入ると急に眠気がやってくる。ここで無理すると残りの滞在に影響が出る!と言うことで必ずお昼寝タイムとする。これだけ慣れている私がするのだから初めての伊達さんも一緒に寝る。残念ながらベッドがあるわけではないが会議室のイスにもたれて1時間くらいぐっすり寝るのだ。寝れるだけまだましだろう。

さて、夜になるとすでに一部の代理店が到着してきた。会議は明日からなのにもうやってくるのが日本と違う所だ。これは決して意気込みだけではない訳でアメリカは本当に広い!シカゴは中西部なので東海岸から1時間遅れ、西海岸から2時間進みという位置にある。特に西部の人々は当日の出発では間に合わないので前日からやってくるのだ。しかし日本的な考えであれば当日の出発で全ての代理店がその会議に間に合う時間でスタートするだろう。しかし我々は朝9時からスタートする。ロサンゼルスからは飛行機で4時間、しかも時差が2時間あるわけだから一番早い飛行機で朝6時の飛行機に乗っても到着するのはお昼の12時頃。午後にならないとスタートする事が出来ないのだ。地理的な問題もあるがそんな短い時間でやる会議など価値にあたらない。前日から乗り込んでもらっても翌日の会議を終えた時に「来て良かった!」と思わせる位の内容がある方がよっぽど重要である。この時点で日本の代理店会議とコンセプトが違うのである。

アメリカの代理店はあらゆるメーカーの製品・部品でも売るような事はやらない。彼らはメーカーのいわゆるその地の代理店なのだ。文字通り代理店というのだが、日本の代理店はそこまでメーカーとの付き合いを求めようとしない。お客様がある製品を欲しがるとすぐにそのメーカーに連絡して手配できるように奔走する。いわゆるブローカー的な活動なのだ。

このやり方でハッピーになる人は誰もいない。何故ならば代理店は扱うメーカーの量が多ければ多い程いろんな事を覚えなければならない。しかしそこまで扱い量が多くないのだから覚えるはずがない。要は価格だけなのだ。一方でメーカーはそういう代理店ばかりが周りにいるのだから彼らに平等に卸す事ができるようにするのだ。そして代理店のサポートを宛てにしないのだからサポートは結局自分たちでやるようになる。(一部の代理店は立派にやってくれているのだが・・・)海外営業からスタートした私はこれが当たり前と思っていたのだが日本は違う、というか違っていた。現在は今までのやり方ではやっていけない、と多くの人々が方法を変えようとしている。これからお互いに強くなれるだろう。ただ、自分に色をつける必要があるのだ。我々にそれだけの魅力がなければついてきてくれないのでそこが我々の課題だろう。

11月20日、代理店会議がスタートした。なんと全米とカナダから20社以上、30名以上が参加してくれた。これだけ来てくれるととてもうれしい。日帰りで来る人など一人もいない。全員が朝9時から夕方4時までの会議に参加し、我々が主催する晩餐会に全員が参加するのだ。丸々一日を我々の為に捧げる代理店達。彼らに頑張ってもらえるように活動するのが筋だろう。

(朝9時からスタート。しかしほぼ100%の参加者が集まる)

(最初に会社のメンバー紹介。もちろんほとんどが知られている存在だが・・・)

せっかく来てくれる代理店のために我々も新しい製品や部品を用意する必要がある。この流れが止まった時点で代理店の興味が薄れていくわけだ。今回はスニーカークリーニングの乾燥機を紹介しながらスニーカークリーニングの普及をメインに行った。他にもハイブリッド洗浄機や包装機の自動昇降機などいろいろ取りそろえた。彼らはこれらを知りたくて来るのだ。プログラムとしては新製品紹介だけでなく各地域の売上状況、特に活躍している代理店の紹介、外部から講師をお招きして1時間程度のお話しをしてもらう、等いろいろなプログラムを用意している。中でも一番のポイントは三幸社という会社を知ってもらうことだ。会社の基本理念を細かく説明し。新年度方針で本社の裕介社長と私がどんな事を考えているのか?をしっかり紹介する。これは我々がSankosha USAにやってくれ、とお願いしているのではなく、彼らが自発的にやってくれているのだ。このような活動を目の当たりにすると本社との一体感を感じる。これを代理店に伝えてくれているのだから私が敢えて彼らの前で一生懸命スピーチする必要はなくなる。何とも言えない心地よさを感じる。

今回はスニーカークリーニングに多くの関心が集まった。実際に乾燥機を用意し、韓国からシリコンを用意してもらった。洗剤はありきたりのモノを利用したがそれでもある程度は綺麗になる。ポイントはやはりシリコンなのだろう。参加した代理店から多くのポジティブなコメントが寄せられた。売れる!そう確信したのはFire Restorationという保険会社を介した火災や水害などで被災した洋服類のクリーニングサービスをしている分野においてだった。彼らはすでにスニーカークリーニングをやっているし多くの靴が集まっている。それをほぼ手作業でやっていたのだからこれは天の恵みとでも言いたくなるようなソリューションだ。アメリカでスニーカークリーニングの需要はすぐに出来るだろう。

(スニーカー乾燥機の紹介。新しいので皆の関心が高い)

夕方の晩餐会はイタリアンレストランのパーティー会場を借り切って行った。お金はかかるがわざわざシカゴまで来てくれた人々をもてなす事が最も大切だ。雰囲気も含めて上質感をしっかり出す。人々が満足するのは雰囲気、食事や飲物、人々との会話のしやすさ、など全てが重なって満足感がでるのだ。それを見事に演出しているSankosha USAのメンバー全員に敬意を表したい。

(夕食会のスタート。皆さんで楽しい時間を過ごした)

(外部の講演で一役買ってくれたMr. Chris Whiteと一緒に。彼はAmerica Best Cleanersというグループの代表とKreusllerの販売もやっている)

(テキサス州の代理店Mustangの3代目Mr. Andrew Dubinskiと。こんな若い青年が後を継ぐ訳だからまだまだアメリカは安泰だ!)

ここで感謝の盾を一部の優秀代理店に贈った。優秀代理店を選出する基準がある。機械の売上、部品の売上、メンテナンスの貢献度、ということで技術力、機械の知識力、提案力全てが問われる。日本の代理店でこのレベルに達している会社は残念ながら一社もない。それだけ我々と一心同体でやっている証拠なのだ。もちろん他社製品を売ることはない。今回は8社の代理店に贈らせてもらった。皆とてもうれしそうだった。彼らが我々を見限らない限り我々は絶対に一番で居続ける事が出来る。そのためにも改めて「壊れない機械作り」「有事発生時に対する迅速な対応」がとても大切である。彼らにも良い商売をしてもらうためにも改めて工場一体となって頑張って行きたい。

(表彰式での盾の授与。頑張る人にはしっかり形で表す事が大切!)