上がり続ける人件費にクリーニング店はどう対応する?

皆さん、こんにちは。令和という新元号になって初めてのブログです。なんか新年を迎えた気分ですがこれからもよろしくお願いいたします。

4月の最終週にアメリカを訪問してきました。またアメリカの気になったクリーニング店の紹介は改めてさせていただきたいと思います。ところで今回、私がアメリカの旅を通じて一番印象に残った事柄は「人件費」でした。日本でも働き方改革という政府の新しい方針によって人件費が確実に上昇を始めています。人件費が上がると言うことは人々の暮らしにおいて決して悪いことではないと思うのですがクリーニング業に関して言うと一種の死活問題に関わってきます。何故ならばクリーニング業は人の手を必要とする業種だからです。他の多くの業種では様々な自動機、特にITを駆使した端末を用意する事で人に頼らない対応を取る店が増えています。しかし、クリーニングは店舗でも工場でも判断や細かい作業に人を使わずして成り立たないのが現状です。入ってくる洋服一つひとつが全く違う物だからでしょうね。

先日のアメリカでは人件費が必ずと言っていいほど訪問した顧客との話題になりました。私はバージニア州、ロードアイランド州、マサチューセッツ州と旅してきたのですがどの地域でも人件費の高騰に頭を悩ませていました。その最低賃金の上昇がすごい!ボストン周辺ではもう$15.00まできています。これは最低賃金なのでもちろんこの金額では誰も働く人はいなく、大体$18.00〜$19.00が相場と言われていました。現在のレートは110円位なのでおおよそ2,000円と言うことになります。サンフランシスコ、ボストン、そしてニューヨーク、シカゴ辺りは本当に人件費の高い町になっています。

だからボストンになると飲食店などの値段も高いのです。もちろん人件費がかなり影響していると思いますが、普通に飲食したらすぐに一人あたり$30.00位取られます。ある晩に私の会社の社員2人とオイスターバーにて食事をしました。そのときにワインを2本空けましたが食事は普通にハンバーガーなどごく一般的な物です。それでも会計をすると一人$100.00もかかってしまうのです。これが人件費に相応する価格なのか?と驚きを隠せません。

さて、人件費が上がるとクリーニング店はどのような対応をしなければならないか?と言うのが本日の私からの投げかけです。アメリカでは多くのお店が価格に転嫁しています。ボストンのクリーニング店ではワイシャツがおおよそ$3.50くらいの値段になっています。$3.00を割り込むととても良心的な価格と思ってしまうほどです。ズボンはおおよそ$10.00なのです。日本の皆さん、こんな価格を顧客にチャージ出来ますか?多分、多くの皆さんは「難しい!」と言うのではないでしょうか?
そうなると今度は工場の自動化、小人力化を図らなければならないのです。工場のコストで一番高いのは人件費、もはや機械の購入費ではないのです。別に三幸社の機械を買え!と言っているわけではないのですが仕上げは一番人の力がかかるところですから検討の余地はあるでしょう。
もう一つはできあがった洋服の仕分けやお渡しの部分です。アメリカではここら辺をずいぶんと自動化しています。日本の人件費はアメリカに比べてまだ半分というイメージですが今後徐々に上がっていくことでしょう。そうしたらいつまで現在のスタイルで続けられるでしょうか?そろそろ考えておかなければならないのではないでしょうか?

私が提案したいのは二つ。一つは「価格の改定とそれに合わせた商品価値、ブランディングの創造」です。もう一つは「工場の人件費を如何に下げるか?」です。是非考えて見てください。