今後のクリーニング業界をどう見るか? その4

みなさん、こんにちは。

前回は靴クリーニングの可能性についてお話しをさせていただきました。さて、みなさんはスニーカークリーニングを通じて新規顧客獲得の重要性をどれだけ考えていただけたでしょうか?もう一度おさらいしておきますが、このスニーカーを含めた靴クリーニングは自社の将来を占う大切な商材であることを強調しておきたいと思います。時代が変わり、我々の業界を使ってくれる人々が変わってきています。当然、クリーニングの形態も時代と共に変わらなければならないのです。しかし、どれだけの会社が時代の変化に合わせて自社のサービスを変えてきたでしょうか?私が見る限りほとんどの会社、お店がしていないと思います。「誰かが新しいサービスを試してうまくいかない限り自分もやらない」という時代は終わりです。むしろ自分が率先して変化の波に飛び込んでいかない限りお店の価値を変える事は出来ないのです。そんな意味でこの靴クリーニングは格好の材料と言えるでしょう。是非考えて見てください。

さて、それでは今回の本題です。さっそく靴クリーニングを始めてみた、としましょう。そして新しいお客様が来店したとします。さて、皆さんはそのお客様に何を売り込みますか?なかなか難しい質問だと思います。ワイシャツを勧めるでしょうか?それともドライクリーニングを勧めるでしょうか?そもそも来店したお客様はクリーニングを通常利用しているお客様でしょうか?それともしていない人でしょうか?なかなかわからないでしょう。そのような状況で何もお店の価値を伝えることは出来ないでしょう。

私はここで提案したいのはウェットクリーニングです。そもそもドライクリーニングってなんでしょうか?それすら知らないお客様はざっと90%以上、もしかしたら95%以上だろうと推測します。だから知らないお客様はドライクリーニングで完全に綺麗になっている、と思い込んでいます。このままにしておいて良いのでしょうか?私はクリーニング業の衰退はこの考え方からスタートしていると思うのです。確かにドライクリーニングは楽で縮みのリスクもなければ乾燥してからの仕上げ工程はとても楽です。そもそもドライクリーニングは家庭では出来ない洗い方です。しかし完全に汚れは落ちていません。水溶性の汚れ(汗やおしっこの汚れ)はドライクリーニングでは落ちません。まず、ドライクリーニングの限界というのを正確に説明すべきではないか?と思うのです。

ポイントは今までの技術ではこれ以上の事をするのはかなりリスクが高いからやれなかった、という話しをすれば良いのです。決して我々の今までが悪かった訳ではありません。今まで出来なかった事を出来るようになった、と言うだけで自社の価値はさらに上がる事となります。今までの事をとやかく文句言うお客様はいないし、むしろ好感度が上がると推測します。もちろんドライクリーニングに対してウェットクリーニングは手間がかかります。リスクはもちろんあるでしょう。しかしリスクを負わないビジネスで上手くいくことはありません。手間をかけるからプロなのです。もっとプロの意識を持ってお客様に提案してみては如何でしょうか?

1990年代後半に一度大きなウェットクリーニングのブームを迎えました。しかしあのときはあまり成功しませんでした。そして今回の流れになっていますがこの20年間の間に洗濯機や洗剤の進化があります。それ以上にウェットクリーニングにおける知識が相当レベルアップしました。もう昔感じたようなリスクは現在はありません。実際に三幸社でもSW-100Jという卓上の洗浄機を作ってみました。最もリスクのある洋服であってもウェットクリーニングは可能になりました。実際に洗濯機と同等の洗浄力があることがすでに証明されています。あとは乾燥そして仕上げ工程となっていきますが、これらの全てがすでにシステムで完成しています。ソリューションとして成り立っているならば、考える事はどんな価格でどんなプロモーションをかけるか?です。

真剣に考えてみてください。このウェットクリーニングこそ家庭では出来ないクリーニングです。人に出来ない事が我々は出来る!と言うのが商売の原点ではないでしょうか?そのような武器をどれだけ持っているのか?を是非考えていただきたい。皆さんの今後のビジネスに必ずやプラスとなる事でしょう。頑張ってください!
何か質問がある方は是非個別でも結構ですのでFacebookで私を見つけてメッセージをお送りいただくか私の会社メールアドレスにご連絡ください。k-uchikoshi@sankosha-mfg.com