中国を訪問して見えるクリーニング業の可能性

皆さん、こんにちは。

前回は中国の都市から見えるクリーニングの可能性についてお話しさせていただきました。今回は実際に活動しているクリーニング店をご紹介したいと思います。

なんと言っても一番最初に紹介しなければならないのはFornetです。北京に本部を置き、現在は全国にフランチャイズを中心に1500店舗を展開している文字通り巨人です。本部の店舗をみせていただきましたが日本のクリーニング店よりも綺麗な作りになっています。この店舗のデザインは全部会長がされているとのことでそのこだわりがうかがえます。

日本との違いはワイシャツが集まりづらいマーケット、なんとワイシャツ比率が全部の店舗を平均すると10%にも満たないとか・・・。上海の店舗が一番ワイシャツが集まっているようですがそれでも30%にも満たない都のことで日本のようにワイシャツを集めることがクリーニングの売上を上げる条件にはなっていないようです。

Fornetで気をつけていることは「今までのクリーニング店のイメージとの決別」だそうです。中国でもクリーニング店(というか洗濯屋)は個人店を中心に存在しているわけですが彼らのイメージはとても汚くて悪いそうです。そういうお店が水洗い衣類を扱っていたことからクリーニング店にワイシャツなどが集まりづらいと考えられているようですが、彼らはとにかくイメージを大切に、そして海外から貪欲に学んだことを経営に活かしている、という会社です。これからも代表的な地位に居続ける事でしょう。

 

一方で地域密着でやっている店舗にも訪問してきました。営口(Yingkou)という町にあるクリーニング店ですが、1工場で28店舗をやっていて1日の最大処理量は5000枚だそうです。平均単価が23元と言うことでおおよそ390円(1元=17円で計算)ということで日本のチェーン店よりは単価が高い!この会社はすでに10年以上展開しているとのことですが、ここに来て売上は10%以上で伸びているそうです。実際、2015年にネットクリーニングという触れ込みから相当な人々がこの業界に投資して参入しようとしていたのですが結局ほとんどの人々が失敗に終わり、その影響が昔からやっている会社にもあったのです。しかしここにきて安定を取り戻し、非常に儲かる状況に入ってきたように見えます。

他にもいくつかのお店を訪問したのですがとても面白いことがありました。それはワイシャツの値段とズボンの値段が一緒なのです。私はこの価格を世界で初めて経験したのですが、ほぼ全部のクリーニング店がワイシャツとズボンの値段を同じにしているのです。上記のクリーニング店は先ほど書いた通りワイシャツが23元ですのでズボンも23元です。どこでこのような料金体系になったのかはわかりませんが「周りがそのようにやっているから我々もやっている」というコメントをもらったのが印象的でこのような料金設定は日本も中国も変わらないな、という感じです。

しかし世界どこでも業界縮小の状況に疲弊している中でこの市場は本当に可能性を感じます。それからクリーニングは改めて貧富の差がある程度ないと繁栄しない業界なのだな、ということも再確認出来ました。そんな中で我々はどうやってこの国で生きていけば良いのか?真剣に考える必要がありそうです。

中国を訪問して見えるクリーニング業の可能性

皆さん、こんにちは。

今回は中国のマーケットを見てみたいと思います。ちょうど先日、中国を出張してきたので現在の中国マーケットについていろいろ述べて見たいと思います。

 

まず感じた事、それは「中国は本当に大きい!そして人が多い!」これに尽きますね。今回は北京、瀋陽、営口(インコウ)、大連を訪問したのですがどこも日本からすれば大都市!営口(インコウ)が一番小さな都市でしたがそれでも200万人の人口でした。誰もが聞いたことのある街はほぼ全部1000万人都市なんです。なんでこんなに人がいるのだろうか?と思ってしまいますが、それ故に羨ましい市場があります。

そんな中国ですが、この国を旅すれば旅するほどアメリカと似てるな、と思いました。ポイントは

  • 貧富の差がとても激しいこと
  • お金を使う癖があること

この二つです。どちらも日本に全くない条件です。特にクリーニングは貧富の差が激しい国の方が利用率が高いことがすでにその他海外で証明されています。故に日本のような超中流国家でクリーニング需要が高いのはとてもまれなケースと言えるのです。(しかし、日本は需要減退の危機に直面しておりますが・・・)

街を歩いているともう一つ思う事があります。それはワイシャツを着ている人がとても少ない事です。人々の生活レベルは確実に上がっているのですが、まだ日本人のようなスーツやワイシャツ、ネクタイという訳ではなくポロシャツに下は作業着、Tシャツにジーンズ、という感じの構成が男性にはとても多いです。会社の経営者であっても決してワイシャツを着る訳ではなく作業着やポロシャツを着ている人が多いのです。

今回のエリアは中国の東北部と言われており、昔一番栄えていたエリアだったようです。しかし中国政府は開発のエリアを上海、深セン、広州など南部に変えたために東北部は一気に失速してしまったと言うことです。しかしそれぞれの街はとても落ち着いており、特に弊社の事務所がある大連は日本人の街と言っても良いくらい日本語であふれており、中国の典型的な大都市とは雰囲気が全く違うのです。

こうやって見てみると中国の街はそれぞれの地域で全然違う人種と考えで成り立っており、それぞれの地域でクリーニング店のあり方は違う可能性があります。その中でも全国チェーン展開をしている会社もあったりとこれからさらに伸びていく可能性を感じる市場でした。

次回のブログで中国でどんなクリーニング業が成り立っているのか?をご紹介したいと思います。お楽しみに!

タクシーから見える東京と関西の売上格差

皆さん、こんにちは。

Facebookには書きませんでしたが、先週はずっと関西に出張しておりました。その際に感じた事を今回は書いてみたいと思います。

家から駅までタクシーに乗りました。そこで運転手さんに「1日にどのくらい走るんですか?」という質問と「1日でどのくらいの売上を上げているのですか?」という質問をしました。結果は「250kmくらいは走ります」という答えと「おおよそ6万円かそれ以上」という答えをもらいました。私は「これだけ走って6万円しか売上が上がらないのか」と感じたのです。

さて、新幹線に乗って大阪まで来ました。そこでまたタクシーに乗りました。せっかくなので同じ質問をしてみました。そうしたらその答えにびっくりです。というのも一つ目の質問については「150kmくらいは走ります」という答えと「売上はおおよそ3万円くらい」と言うのです。私はすぐに次の質問をしました。「それではもっと走れば売上は上がるのではないでしょうか?」そうしたらすぐに答えが返ってきました。「無理ですよ、大阪では全く売上が上がりません。昔は200km以上走っていました。しかし売上が上がらないからもう走るのも辞めたんです。」という答えでした。

これにはショックでした。関西では東京のタクシーの半分しか売上が上がらないのです。東京のタクシー売上でさえちょっと少ないのではないか?と感じたのに関西ではその半分です。ちなみに東京に帰ってきてもう一度最寄り駅からタクシーに乗って聞いてみました。その関西の状況を聞いたタクシーの運転手さんは「3万円ですか・・・。それではとてもじゃないけど給与が出ない。運転手の仕事だけではとてもじゃないけど生活が出来ないと思います。会社も新車を買うことは出来ないでしょう。」との事でした。厳しい状況です。

しかしここにちょっとした関東と関西のメンタリティの違いがありそうです。今回も客先に寄り、一緒に食事をしに行った時の話です。そこでとてもおいしいウナギをご馳走になりました。最近、ウナギと言えば本当に高級食材です。そこで特上を選んでくれたのですが、その料金は2500円。特上で2500円はとても安い!と感じました。

そこで地元のクリーニング店の社長さんから一言。「関西では高いお金を払ったらおいしくても当たり前!と考えるのが一般的です。おいしくて安いから「おいしい!」って言うのです。関東の人々は高くてもおいしければ「おいしい!」って言うでしょ?それは我々と大きな違いと思います」と。

確かに地元の名店ですが店構えはとても古いし決して綺麗ではありません。東京でこの店構えで本当にやっていけるだろうか?と考えたら難しいかもしれません。ある程度店は綺麗じゃなきゃいけないし、接客も良くなければなりません。そこに価格を転嫁してもそれは当然と考えるのが東京でしょう。関西ではこのやり方ではむしろ上手くいかないのだ、と言うことを学んだ出張でした。

ただ売上を上げさせてくれない、というのは困った話です。私は常に「日本はアメリカに比べてキャッシュフロー(金回り)がとても悪い!」と言い続けておりますが、その原因は関西のこういうメンタリティがあるから、と言えそうです。もしかしたら関西以外の地域でもこのようなメンタリティはあるかもしれません。

いくら皆さんが商品の価値を上げようと頑張っても周りのお客様がその価格を許してくれなかったらどうしますか?私ならその程度の価格で出来る事を探すようにするしかない、と考えるでしょう。もしくは自分の考えに賛同してくれるごく一部の顧客のみを対象にするビジネスにするか・・・。とても決断に困る条件と感じました。

皆さんはどう考えますか?

沖縄でみたクリーニング業界

皆さん、こんにちは。

先日、沖縄に行ってきました。あるコンサルティングファームの研修会が現地で行われたので行ってきました。ついでといってはなんですが、クリーニング店も訪問してきました。その間に普天間基地なども見てきて、改めて沖縄の米軍と隣り合わせで生活している事情は大変なモノだな、と実感して帰ってきたのです。

クリーニング業界の事を訪問したクリーニング店に話を聞いて来たのですが、「ホームクリーニングの方は本当に点数が減ってきていて真剣に今後どうするか?を考えていかないとまずい!」とおっしゃっておりました。前回、ベルギーのお話しをさせていただきましたが、ここ沖縄でも全く同じ現象が起こり始めているのです。これは本当に困った!

 

今回、ちょっと沖縄ならではの話に遭遇したのは「かりゆし」です。沖縄には「かりゆし」(沖縄で着られている民族衣装。ハワイのアロハシャツに似ています)というシャツ代わりの洋服がビジネス上の正装となっていておおよそ4月から10月くらいまでが「かりゆし」を人々は着ているようです。そして10月から4月までの冬がワイシャツ、という傾向があるようです。クリーニング店の経営者様に話を聞いてみると時期にかかわらず「かりゆし」、ワイシャツ共に東京などの大都市と同じ位のボリュームで全体の40%位が占められていると報告を受けました。

たまたま国際通りの「かりゆし」専門店に入ってみました。そこで最近のラインナップを見てみると昔の「かりゆし」とは違い、ボタンダウンのものやスリムフィットのものなど我々が最近着ているワイシャツとあまり変わらない傾向になっているのが面白かったですね。

(かりゆしショップ。ワイシャツとは違い、半袖ばかり。カラーも豊富!)

(綿ポリ混紡のシャツが圧倒的に多い!)

それ以上に目に入ったのは生地の作りです。綿ポリ混紡がとても多く綿100%の「かりゆし」があまり多くないのです。むしろポリが65%で綿が35%というシャツの方が多く、これには一つの事情が絡んでいるのだろうと察しました。それは「家庭洗濯」です。実際に滞在中のある朝、我々はコンサルティングのグループツアーで皆さんとの待ち合わせ場所でしばらく待っていたのですが、そこでしばらく街を歩いている人々をじっくり眺めることが出来ました。この時期だと100%「かりゆし」を着る人ばかりなのですがあまりクリーニング店に出している人が多くないな、という印象でした。東京などの大都市でもワイシャツをクリーニングに出していない人の方が圧倒的に多いのだろうと思いますが、沖縄でも同じ状況になっているのを目の当たりにすると改めて考えさせられてしまいます。

我々クリーニング業界はどうやって生き残りを図っていくのでしょうか?私もまだわからないのですが家庭洗濯と融合していく事は考えていかなければならないのでしょうか・・・。水洗いやリネンの業界はまだまだ成長しています。世界的に成長しています。しかしドライクリーニング業界は衰退の一途をたどっています。この事実を我々は認識し、業態をどのように変えていくか?を考えていく必要があることを考えさせられた沖縄訪問でした。

ベルギーのクリーニング業から見る日本の将来

皆さん、こんにちは。

今回はベルギーのクリーニング店がどのように生き残り続けているのか?をお話ししたいと思います。日本は間違いなくヨーロッパと同じ道を進んでいるのでこの話はとても参考になると思います。

 

ベルギーは人口おおよそ1100万人、東京よりも小さな人口で構成されている国です。しかしクリーニングの需要は衰退しきってしまい、この国が再びクリーニング需要を増やす事はまずあり得ないでしょう。故にクリーニング店も200店ほどしかなく、新規オープンするお店などまずないわけです。こんな市場ですが、だからといって特別な事をしているわけではありません。彼らが取ろうとしているのは「毎日仕事を持ってきてくれる下請け業」です。私はゲントでクリーニング業を営んでいるClean Expressというお店を訪問してきました。

(Clean Expressのお店とデリバリーのトラック。見た目はごく普通のお店)

(工場の中は自動包装機を使うほどの量!ジャケットの仕上がりを見てもとても綺麗に出来ていました)

彼らが取り込んでいるのは特急電車に使われているシートカバーなどです。これはドライクリーニングで洗われるアイテムで、毎日トラックでブリュッセルから運び込まれて来ます。そしてできあがったカバーがまたそのトラックによって納品されていきます。

(これが電車で使われているシートカバー。毎日大量のカバーがお店に入ってきます)

このような契約を手に入れた社長のJean Paulさんに話を伺うと「クリーニングを出してくれるお客様の数は少なく、とてもじゃないけどそれだけの売上では会社は成り立たない。だからこのようなB to Bビジネスを取り込んでいかなければならないのだ」とおっしゃっておりました。このビジネスを進めるためには条件が二つあると言います。

  • 他のお店と比べても洗いや仕上げの品質が高いこと
  • 事業主との強い人間関係が出来ていること

この二つが重要だと力説されておりました。クリーニング店なのだからどんなものであっても綺麗に洗い、綺麗に仕上げる事は当たり前の事です。しかし、実際に綺麗に洗って仕上げている会社はかなり少ないのではないでしょうか?きちんと溶剤管理をしない、機器の入れ替えやカバー類の交換もせずにやってしまっている、などなど工場が汚い状況にあるお店を数多く見てきています。実際にJean Paul氏は自分がどうやって洋服を綺麗にしているのか?をいつも力説しています。一方でお客様の噂もあります。「出すんだったらあそこが良い!」と言われるお店作りは大切ですよね。

もう一つは人間関係です。これは経営者の外交能力が問われます。ただそれほど難しい事ではないと思います。相手に対して誠実に対応し、自分たちが相手のために全力で対応する事をお客様側が確信する事でこのような契約を取ることが出来ると思いました。

今回は電車で使うシートカバーなどの需要でお話ししましたが、他にも対象は地域のホテルやレストラン、老人ホームなども考えて良い取引先と思います。こんなところをそれぞれのクリーニング店が取り組んでいるというのがベルギーの実情でしょう。

 

さて、日本はどうでしょうか?まだワイシャツという洋服がたくさん集まるわけですから今のところ上記ようなB to B契約を結ばなくてもやっていけるところが多いでしょう。しかし、日本の人口確実に減っていきます。確実にカジュアル化も進んでいます。現在の条件から市場規模が小さくなっていくのは明白です。そんな将来が見える中で我々は何を考え、何をやっていけば良いのでしょうか?私は自身の地域に特化したお店作り、そしてその地域の取引先を作っていくことがとても大切なことではないか?と思います。

誰も将来を予知する事は出来ませんし、私もわかりません。しかしヨーロッパとかなり似た道を歩いているのは事実です。アメリカのように年間で何百万円も支払ってくれるお客様がいないのがヨーロッパであり、日本でもあります。会社の規模を小さくしていくのか?それとも上記のようなモデル作りを自分でやってみるのか?是非考えてみることをお勧めしたいと思います。

ベルギーに行ってきました!

皆さん、こんにちは。

先々週、ヨーロッパに行ってきました。イギリスで展示会があったのですがついでに1泊2日でベルギーにも行ってきました。今までの出張では全くあり得ない事が起こるようになってきました。それは私の体調、今回は旅の最中に風邪を引いてしまい、ブリュッセルからロンドンに移動した24日は最悪で熱は出るし、咳は止まらない、ということで全く使い物にならない大変な状態でした。なんとか出張にはなりましたが・・・。

 

さて、今回と次回を利用してベルギーの事情についてお話しをしてみたいと思います。皆さんはベルギーというと何を思い出すでしょうか?ビール?フランダースの犬?そんなところが一番印象強いのではないかと思います。

ベルギーという国はとてもユニークな国です。ほとんどの人が数カ国語を話せます。国の言語は基本的にフレミッシュ(オランダ語と全く同じですが敢えて彼らはその言葉をオランダ語とは言いません)とフランス語、このフレミッシュ語圏とフランス語圏で国が分裂する危機に陥っているのも特筆するところです。これは国の議会選挙などが行われるときに必ずと言って良いほど起こる話です。

いずれにしても人口は1100万人程度、東京の人口にも満たない程度の人数しかいない国なのです。国土もとても小さいですが山がないのでとても豊かな地形に恵まれた国土を持っています。人口密度も日本みたいに高くないのが特徴です。

この国の経済はおおよそ3つの都市を結んだトライアングル(三角形)の内側と言われております。その3つの都市とはブリュッセル、アントワープ、そしてゲントです。ブリュッセルは皆さんご存じの通りEUの本部があります。アントワープはこれもご存じの通りフランダースの犬でネロ少年が最後に死んでいったルーベンスの絵が飾ってある大聖堂のあるところです。しかし、ゲントという町はあまり知られていないのではないでしょうか?むしろゲントの先にあるブルージュという町の方が観光としては有名ですね。私はいつもそのゲントに足を運ぶのですが、その理由は弊社の機械を販売してくれる代理店がここゲントにあるからです。

 

私はベルギーという国が最も好きな国の一つになっています。理由は「食事のとてもおいしい国」だからです。料理は基本的にフランス料理の流れに沿っています。しかし、実際にはフランスよりもおいしく感じることがとても多いのです。23日にお邪魔したときにはちょうど旬の食材であるホワイトアスパラガスをいただくことが出来ました。日本ではまずお目にかかれないホワイトアスパラガス、これは本当においしい!!大体、ヨーロッパではフランス、ベルギー、オランダ、ドイツあたりでしか食す事の出来ないものでしかも時期的に4月上旬から6月上旬までというとても短い期間でしか食せない貴重なものなのです。こういう食事が出来るときに「仕事とはいえ、役得だな!」と感じる一時です。

今回はそのアスパラガスと牛肉のステーキを赤ワインで一緒にいただきました。一緒に食したのは代理店の社長さんと我々の機械を使っていただいているお客様でした。こういう時になると私が持ち合わせている日本のクリーニング店の情報もとても役に立ちます。そんなお話しをしながらあっという間の2時間の食事が終わります。

(これがご当地のホワイトアスパラガス。メインディッシュとしていただけます。)

(この牛肉のステーキもおいしかったですよ!)

(代理店の社長さんとお客様と一緒にいろいろな話で盛り上がりました。)

 

大きな市場ではありません。しかし、我々にとってはとても大切な市場です。次回は皆さんにこのベルギーという国でやっているクリーニング店はどんな方法で生き抜いているのか?をお知らせしたいと思います。どうぞお楽しみに!

インドネシアのクリーニング事情

皆さん、こんにちは。
前回はジャカルタの交通事情についてお話しをさせていただきました。発展途上国ではありますが、大きな経済発展を遂げているジャカルタ、しかし人々の習慣を簡単に変えることができず、結果としてその行動習性が経済発展を妨げているのではないか?というお話しをさせていただきました。今回は展示会に参加して感じた事を書かせていただきます。

今回でこのClean Expoに参加させてもらって3回目、展示会自体は4回目の開催となりますが、びっくりするほど進歩がありません。相変わらず一番出展しているのは洗濯機メーカーです。アメリカ、ヨーロッパ、そして中国などからいろんなブランドの洗濯機が展示されておりました。しかしドライ機や仕上げ機の出展はほぼありません。私が見た限りではドライ機は2ブランド、仕上げ機も弊社を入れて3〜4ブランドしか出ていませんでした。何ともさみしい話です・・・。
ではどうしてこんなに出展されていないのでしょうか?私は幸い、ひとつのワイシャツ機ユーザーを訪問することが出来ました。びっくりかもしれませんが、三幸社のワイシャツ機はすでにジャカルタのいくつかのクリーニング店でも使ってもらっているんです。すごいでしょ!(笑

(今年も行われたジャカルタ展示会。)

(並んでいるのは洗濯機ばかり。これだけ現在のインドネシアではこれに需要があるようです)

冗談はともかくとしてAqualisというクリーニング店です。まさに昔ながらのクリーニング店で我々のワイシャツプレス機が彼らにとって初めての自動仕上げ機です。残りを見ると全部アイロン台。一列に7〜8台のアイロン台が並んでおり、職人さんが一つひとつをプレスしておりました。

彼らの問題点はインドネシアの気候、そして人々のドレスコードです。先日、タイに行ってきました。タイもとても暑いのですがインドネシアはそれ以上に暑い!タイの弊社スタッフが3人この展示会に参加していたのですがその彼らが「インドネシアは南の国だ!」と言うのです。私は「どっちも一緒だろう!」と思っていたのですがやはり行動の仕方など違いはかなりあるようです。要は「動きに機敏さがない」というのです。これは納得です。
もう一つはドレスコード、本当にインドネシアの人々はおしゃれをしないのです。見渡す限り家で洗えるようなTシャツやジーンズなどなど。ビジネスにドレスコードがほとんどないのが現状のようです。これではクリーニングサービスが繁栄するはずもないでしょう。

それに加えてもう一つ問題があります。それは水質です。国で管理されている水があまりにも汚いためにもちろん飲み水としては利用出来ません。故に多くのクリーニング店では軟水装置をつけたりしているのです。日本で軟水装置を設置している町のクリーニング店はどのくらいあるでしょうか?(私はあまり見たことがありませんが・・・)ここでも日本が如何に環境的に恵まれているか?がわかります。インドネシアではクリーニングに利用するための水にも投資をしなければ鳴らないのです。結果としてどれだけクリーニングにコストがかかっているかおわかりでしょう。

(三浦のボイラーを使っていました。ボイラー自体とても良いのですが、やはり水が問題か・・・。下の写真ですが右の細長い軟水器で濾過する事はやっているのですが、それ以上の事はしていません。このお水には不純物がかなり多いと推測されます。)

ただ、実際のところ「純水」に変換する装置をつけているところはほぼないでしょう。私が見た限りではJeevesしかありません。純水とは余計な物質が入っていないお水の事です。軟水装置にお水を濾過したからと言って不純物がすべて取れる訳ではありません。一番取らなければならないのはミネラル、鉄分などです。そこまで取り切れていないお水で洗っているのですからなかなか綺麗にならないだけでなく1年後には黄色くなってしまいます。
まだまだ発展途上のインドネシアですが、政府が水質改善に力が入った時にこの国のクリーニングレベルは格段に上がる事でしょう。仕上げは・・・、まだまだ人件費が安いからもうちょっと先の話ですかね・・・。

インドネシアの交通事情と経済

皆さん、こんにちは。

私は3月25日から30日までインドネシアはジャカルタに行っておりました。確か私のブログをスタートしたのもこの展示会のネタでスタートしたのを覚えております。このように考えるとすでに1年が経過したんですね。時が経つのは早いモノです。

 

まずはインドネシアの生活状況から皆さんにご紹介しましょう。インドネシアは人口が2億5000万人を超えており、世界でも第4位の国なのです。ちなみに日本は現在世界で11番目に人口の多い国になっております。

しかしインフラが全く整っておりません。話に聞く限り、インドネシアのリネン業者さんが一番頭を悩ますのはロジスティックス問題。渋滞がひどすぎて原価のおおよそ30%を占めるのがこの輸送費なのです。その交通がどうしてここまで麻痺してしまうのか?というとバイクやスクーターの存在です。実は電車もバスも非常に限定的なサービスとなっているので国民にとって一番便利なのはバイクやスクーター。ほぼ一人1台は持っているのではないか?と思ってしまうほどのスクーターの量です。例えば1分も交差点で信号待ちしているとあれよあれよとバイクやスクーターが先頭にたまってきます。最後には150〜200台くらいになるでしょうか?もうこうなると笑うしかない!まるでありの大群のようなバイクの大群です。(笑

(1分もするとこの大群。)

(渋滞の車のと共にバイクの大群)

またそのバイクやスクーターが各々行きたい方向に走り出します。車は行動予測不可能なバイクを気にしながら走らないといけないのでどうしてもスピードを出せず、なかなかその渋滞から抜け出すことが出来ないのです。5〜6kmを移動するのに1時間はかかるわけですからこれはある意味大問題です。

 

こんな中でバイクがUberの役割になっている会社があります。システムは同じでケータイのアプリを利用してバイクを探してそのバイクの後ろに乗る、そして目的地まで送ってもらう、というバイク版タクシーがとてもはやっています。確かにバイクならば渋滞している車の間をすり抜けて行くことが出来るのでとても早く目的地に到着することが出来ます。車にとってはいい迷惑ですが・・・(笑

(Uberと同様のバイク版タクシー。お客様にヘルメットをかぶらせて二人乗り)

朝6時過ぎから渋滞が始まり夜は9時以降にならないと解消しないジャカルタの交通事情。そうやって考えてみると日本のインフラ(鉄道や地下鉄、バスなどの交通網に高速道路の拡張)がどれだけ町の渋滞緩和に役立っているか?我々はここまでインフラ整備をしてくれた政府に本当に感謝しないといけないな、と心から思います。

(信号待ちでも車の合間をどんどん走ってくるバイク)

(車よりもバイクの方がハバきかせている公道)

(やはり目立つのはバイク)

今更インドネシア人に「鉄道やバスの路線を充実させるからバイクを使うな!」と言っても無理でしょう。基本的に変わらない交通事情の中でどんな発展を遂げていくのか?これは大いに注目したいところです。

次回はインドネシアのクリーニング事情をお知らせしたいと思います。

オーストラリアのクリーニング事情

皆さん、こんにちは。

前回はオーストラリアの物価についてお話しをさせていただきました。今回はオーストラリアのクリーニング事情についてお知らせいたします。

 

オーストラリアはアメリカと同じくらいの国土を有していながら人口はアメリカの10分の1もいません。正確にはわかりませんがおおよそ2600万人、日本人が全員オーストラリアに移住しようと思っても十分に住める場所があるくらい土地あまりの国です。(笑

人口が少ないのはおわかりいただけたと思いますが、彼らの生活スタイルはヨーロッパに習っています。政府がかなりの個人の稼ぎに対して年金や社会保障を名目に多額の料金を徴収するのでお金に余裕のある人々はあまりいません。故にクリーニングを使える人々は本当に一握りです。結果として国全体でクリーニング店は750店舗くらいしかないと言われております。

 

こういう状況でどういう人々が使っているのか?となるともちろん「富裕層」です。もはや中流層が使えるマーケットではありません。この事については前回のコラムでオーストラリアの物価高についてはすでにお伝えしていると思います。さて、どうでしょうか?物価は高い、富裕層は少ない、そして人口が少ない。こんな状況でクリーニング店がやっていけるでしょうか?本当に一部の人々しかやっていけないマーケットだろうな、ということが言えると思います。

こういう状況で生き残っていけるクリーニング店はなんと言っても「顧客目線でプロモーションしているクリーニング店」と言えるでしょう。今回はゴールドコーストまで日帰り出張したのですが、そこで訪問したUpton Cleanersをご紹介いたしましょう。彼らはゴールドコーストでもかなり富裕層を対象に運営しているクリーニング店です。しかし工場でやっている事は変わりません。

Upton Cleanersの工場。ドライ機は石油系ホットマシン。蒸留器もしっかり搭載!

ここはアメリカ製Forentaが入っている。それもこのお店を担当している代理店の影響。レイアウトは日本的。コンベアを使って流れ作業を行っていた。

ワイシャツだけは三幸社。どうしてもワイシャツ仕上げだけはForentaでは駄目、とのことでダブルを2セット使ってもらっていました。

 

違いと言えば「クリーニング、仕上げに対するこだわり」や「店舗のルックス」、「利便性」そして「プロモーション力」くらいでしょうか・・・。他で差を出すことはクリーニング業ではなかなか出来ないのでしょう。これは私が感じていることですがアメリカであろうと日本であろうと中国であろうとクリーニングの工場でやっている事に大差ありません。要はその状況でどれだけのお金をチャージする代わりにどれだけキレイにして差し上げようか?という気持ちの問題なのでしょう。それだけのお金を払ってくれる人々がお店の近くにいらっしゃるかどうか?もポイントでしょう。

2軒お邪魔したうちの一つ目。24時間サービスの自動受け渡し、お引き取りのサービスがあった。とてもアメリカ的です。

(こちらは2軒目のお店。ショッピングモールのカラーに合わせた店作り。こちらは24時間受け渡しはなかったが、とてもシックな作りに。)

 

Upton Cleanersのお店も工場もとてもキレイでしたよ。ショップは利便性を考えたものだったり見た目を重視したり、でかなり投資をしているように感じます。工場についてはここはかなり日本的なレイアウトになっておりましたが、一つひとつの機械もかなりキレイにしておりました。こういうのが顧客に対する一つの心の表れなのでしょう。

もう一度お知らせしておきますが、工場の運営についてはどの国であろうと基本的に一緒です。一番の問題は「どうやってお客様に違いを理解してもらえるか?」と言うことです。Upton Cleanersさんは彼らなりに高級店とはどういうことか?を一生懸命探しているのでしょう。

 

このビジネスに「これが正解!!」というソリューションはありません。どんなソリューションでもやっていける可能性があります。ただ、長くやっていける可能背はやはり高級層にリーチする事だと思います。どうやってそういう顧客層に売上を上げていくことが出来るのか?は是非考えてみてください。

オーストラリアの物価高

皆さん、こんにちは。

先週はオーストラリアに行っておりまして、今週はアメリカに来ております。土曜日のフライトでシカゴを出発して日本には日曜日に帰国いたします。ちょっと訳があってとても暖かいところにも行っておりまして・・・、びっくりするくらい日焼けしてしまいました。こんなに日焼けしちゃうと「何しに行ったんだ?」って会う方々にいろいろ言われてしまいそうな感じです。(笑

 

さて、今回のトピックスはその先週に行ってきたオーストラリアです。たった2泊4日の旅だったのですがその中で急遽ゴールドコーストまで日帰りで行く用が出来てしまったので行ってきました。その際に感じた事、それは「本当にオーストラリアの物価は高い!」と感じることでした。今回は久しぶりにいろんな物価を目の当たりにする事になったのですがまず電車が高い!普通、20分くらいの電車に乗るとしたら皆さんはいくら位を考えるでしょうか?地域によって違いはあるでしょうけど大体350円とか400円位をそうぞうしませんか?今回はダウンタウンから空港までを乗ったのですがなんとAUD18.50、現在、1オーストラリアドルがおおよそ85円なので1500円を超えました。もうびっくりです!

ゴールドコーストまで行って帰ってきたときにシドニーの空港に置いてあった自動販売機、これもびっくり!なんとこの自動販売機で売られているお水がAUD3.00、ペットボトルのコーラがAUD4.50、お菓子の自動販売機もあったのですがキットカットがなんとAUD3.00、もう日本人の感覚から全くかけ離れた価格になっているのです。なんでこんなに価格が日本と違うのでしょうか?ちなみに私はオーストラリアに初めて行ったのは1999年、そのときは日本とほぼ一緒?あまり違和感を感じませんでした。

 

実は私は世界への旅行を通じてこの価格差には違和感を感じるようになっておりました。それまで日本は世界でも有数の「高物価国」と言われておりましたし、私もそれを自負しておりました。たまたま今回、アメリカのお客様のあるグループにスピーチをする機会を頂いておりましたので他の国も含めた物価上昇率を調べて見たのです。1998年からの20年間の物価上昇率を調べて見たのですが、もうこの結果を聞いてびっくり!日本はなんとこの20年間で物価がたったの1.5%しか上がっていないのです。年率にして0.076%・・・、全く上がっていないのと一緒です。ちなみにアメリカは2.17%平均の上昇率(リーマンショックの年も含めてです)、ヨーロッパ各国の平均も大体1.5〜2%の上昇率、一番進んでいるのはオーストラリアだったのです。その率はなんと2.45%です。20年続けると49%の上昇率です。日本はたったの1.5%しか上がっていないのですから我々がその物価高を感じるのも当然です。

 

ちなみに2%の上昇率は現在の安倍内閣が進めている数字です。しかし全然結果が出ません。なんででしょうか?

これは私見ですが、日本人は基本的にお金を使わない人種と思います。アメリカ人とは真反対!少し位はアメリカ人のように持っているお金をパーッと使ってしまえば良いのに・・・、と思うことがあります。アメリカはとてもキャッシュフローの豊かな国です。ではオーストラリアやオーストラリアのような国は?というと国が自動的に年金や社会保障にお金をがっちり持って行ってしまうから成り立つのです。日本は政府が我々の稼いだお金をがっぽり持っていくわけでもなく、そのくせ我々は全然お金を使おうとしないから物価が上がらないのです。「物価が上がらない=給与が上がらない」と言うことになってしまいます。

 

これはかなり大きな問題と思います。ただ貿易立国である日本は為替水準を低く保ちたい、と考えています。そういう観点では現在の状態が一番適切とも言えてしまいます。さて我々はどこが適切なのでしょうか?オーストラリアを見てきてわからなくなります。豊かさはあるけど彼らの物価にはついていけない、しかし彼らのような物価高の国になってしまうと日本お家芸である車や電気系などの製品は世界中に売ることは出来なくなるでしょう。

複雑な思いで過ごしたオーストラリアでした。

次回はオーストラリアのクリーニング事情についてお知らせいたします。