フランス展示会をみて考える業界の将来

皆さん、こんにちは。

先月ですがフランスに行ってきました。フランスは個人的にとても好きな国なんです。何故ならば最高峰のワインがあるからです。今回は2日間だけブルゴーニュまで足を伸ばしてワインの旅をしてきました。私もブルゴーニュを訪問したのは初めてで今までは名前しか聞いたことのなかったところをいろいろまわってきました。おかげさまでかなりブルゴーニュの事がわかるようになりました。それにしてもなんておいしいワインなんでしょうね・・・。皆さんには申し訳ないのですが個人的にとても楽しい旅をさせていただいちゃいました!今回は私の両親も一緒につれて行ったのですが思い出に残る旅が出来ました。

(有名なクロ・ド・ヴージョ。当時のシトー派の教会だったところです。この周りは特級のヴージョの畑でした!)

(誰もが知っているロマネ・コンティの畑。両親と記念に一枚!)

(この旅で最高と思ったワイン。ジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニ。エレガントな香りで最高の味わいでした!)

さて、楽しい旅から一転、5月19日から21日まで展示会があり我々も出展して来ました。ここで一気に現実に戻されるのですが、なんと寂しい展示会だっただろうか・・・。2年に一度の全国展示会というのに来場者が3日間を通して延べ1000人も来ないのです。業界が衰退しているのがよくわかります。

(フランスの展示会、JETという名前です)

そして出展しているメーカー達も新しい提案が全くないのです。出しているのはドライ機、洗濯機、コイン、ドライ溶剤、ワイシャツ仕上げ機とこんな程度です。我々も決して新しいモデルを出していません。敢えて言うならば静止洗浄機ハイブリッドを参考出品した程度です。参考出品だから人々もまだ真剣に考えることはありません。結局、この展示会は総合的にみると失敗と言えるでしょう。

(我々のブースです。初日だからまだ人だかりがありましたが・・・)

(2日目の後半。もはやコアラも仕事がなく我々の機械を見学!笑えません・・・)

何故こんな状況になってしまうのでしょうか?メーカーにも大いに責任はあります。何も新しい物を持ってこないのですから。ただ問題の本質の多くはクリーニング店にあります。業界のイノベーションはクリーニング店でしか起こすことは出来ません。残念ながらメーカーでは無理なのです。

理想は

  • クリーニング店が新しいサービスを開始する構想をまとめる
  • メーカーらにそのサービスが円滑に進められるような機械、材料の開発をしてもらう
  • メーカーらがその開発を終えてクリーニング店に納品
  • クリーニング店がそのサービスをスタートしていく

とこのような順番でしょう。メーカーは顧客からのニーズを知らされない限り新しい事をスタートする事は出来ないですし、クリーニング店が進めてみたいという欲求がなければ何も事は起こらないでしょう。

フランスの展示会では残念ながら何も新しい物がありませんでした。もはやクリーニング店にその力がないのか?いずれにしてもとても寂しい話しです。展示会で会った一部の人々に日本で今ホットになりつつあるスニーカークリーニングの話しをしたらとても興味を持っていました。しかしこれだって韓国でビジネスが始まり、最近日本でも一部のクリーニング店が力強くやり出したからメーカーがソリューションを作る事が出来る、とこういうことです。誰も始めなければ我々メーカーが主導する事など出来ません。

来年、国際クリーニング会議が5月22日から24日までオーストラリアはメルボルンで開催される予定になっておりますが、この場でもスニーカークリーニングのビジネスモデルをお題目にしようと考えております。そんなにあれこれモデルを簡単に作れないことを考えるとこのスニーカークリーニングは次世代の世界的モデルに仕立て上げることが出来るかもしれません。私も精一杯活動してみようと思います。

我々はPTBプロジェクトというメーカーでのグループ活動をしております。今まで「ポロシャツ、Tシャツ、ブラウスプロジェクト」「ワイシャツ縮み防止プロジェクト」「ウェットクリーニングプロジェクト」とやってきましたが、どれも我々メーカーがトライした事でクリーニング店が言い出しっぺではないのです。結果としてなかなか取組が広がりません。しかし今回の靴クリーニングについては大いに可能性を感じます。

皆さん、是非ご検討ください!何もしなければ必ず衰退しますよ。