イギリスから見えるクリーニング事情とは その1

皆さん、こんにちは。

今回はイギリスのクリーニング事情についてお話しをしてみたいと思います。というのも前回のブログでイタリアの展示会についてお話しをしましたが、その後に数社の日本のクリーニング店の社長様らをお連れしてイギリスに行ってきたからです。人数は少なかったですがとても楽しい旅になりました。

さて、イギリスは文字通り大英帝国、昔の世界覇者でした。ファッションにおいても他のヨーロッパよりも習慣が古風で多くの人々が未だにスーツを着て仕事をしております。イギリスと言えばピンストライプのスーツが代表的ですよね。クリーニング業界においてはこの「古風」という言葉が繁栄の一つのキーワードかもしれません。

まずはイギリスという国についてお話をしてみたいと思います。皆さんはイギリスと言うとすぐにロンドンをイメージするかもしれません。しかしロンドンはイギリス人にとって異国のようなイメージに捉えられています。何故ならばまずは物価が高すぎる!現在のイギリスポンドはおおよそ150円と理解していただければ良いかと思いますが、地下鉄の初乗り運賃が4ポンド、なんと600円!日本人からすると信じられない料金です。ロンドン市内で泊まるホテルはどこも150ポンド(2万2500円)が最低でちょっと良いホテルになると軽く300ポンド(45,000円)以上になります。先日、オーストラリア・シドニーの話をしたと思いますが、まさに似ています。普通の収入で生活しているイギリス人でロンドン市内に住める人は一人もいないくらい異常なところです。

一方でロンドンを出て地方をみてみると状況は一変します。クリーニングが必要ないのではないか?と思ってしまうくらい、のどかな風景が続きます。先日はKent地方にあるLeeds城を訪問したり、その先にある小さな美しいRye村を訪問したりと私もすっかり観光してしまいましたが、それらを訪問してみても全く商売がそこら辺に転がっているイメージはなかったです。

Leeds城です。とっても美しい洒落たお城でした!

みなさんで散策!

Rye村の小道。この先に村の教会があります。

Rye村のホテル。昔はここに海賊達が毎日宴会をしていたとか・・・

教会の上から撮ったパノラマ写真。これぞイギリス!のどかです。

考えてみればロンドンは郊外まで含めると2500万人の人口と言われております。第二の都市はバーミンガムかマンチェスターとされているのですが、どちらもおおよそ郊外まで含めても250万人いるかいないか、と言うことでロンドンの10分の1しかないのです。こうなるとロンドン一極集中と言われても仕方がありません。誰もが「ロンドンで商売が出来なければ儲からない!」と考えてしまっているわけです。

イギリスでは残念ながら産業がほぼ消えてしまっています。イギリスであった自動車メーカーももはやすべて海外のメーカーに買収されてしまい、イギリスのオリジナルブランドがほぼなくなってしまっています。ではどうしてそうなってしまったのか?というと、それは先ほど書いた物価です。イギリスで物作りは出来ないほどコストがかかりすぎてしまいます。しかも島国なので基本的に移民が簡単に入ってこないのです。

ただロンドン市内を見てみると驚くほどインド人、パキスタン人などが働いています。これは昔のイギリス植民地政策の影響から多くの人々がこの国に移り住みそして国民と化しています。最近はそれでも安い労働力が見つからない、と言うことでポーランド人を40万人も受け入れた時期がありました。現在はそのような東欧の人々がコストマインドにとてもうるさい業種に入り込んで働いているのが現状でしょう。もちろん、クリーニング店やランドリー工場にもポーランド人やルーマニア人などがたくさん働いています。

このように見てみるとイギリスは日本にとって一番近いお手本かもしれません。単一民族だったのがコストの関係から外国人を招聘し自分たちがもはや働きたくない分野に移民を使う、というモデルです。しかしそれにより、単一民族ではなくなりいろいろな人種の文化に染まっていくという可能性が出てきております。イギリスの現状を見ながら日本の将来を占ってみるのも良いかもしれません。しかし日本で物作りが出来なくなったら日本は一体どうなってしまうのでしょうか?考えただけでも恐ろしい話ですね。

次回はイギリスのクリーニングについて触れてみたいと思います。