皆さん、こんにちは。
さて、久しぶりに海外のクリーニング店を訪問してきたので今回はそのお客様を紹介したいと思います。今回、ご紹介したいのはアトランタにあるEuropean Cleanersさんです。一般的に韓国人が経営しているクリーニング店はアメリカでも残念ながら地位が低く、あまり富裕層には使ってもらっていないのが普通なのです。実際にオーナーの皆様もあまり英語が得意ではなく、どうしても韓国人マーケットのみの活動になってしまうのです。故に多くのクリーニング店が売上、利益共に苦しんでいる状況が全米各都市で見受けられるのが現状と言えます。
ところが、このEuropean Cleanersさんは条件も一緒だったにもかかわらず現在は全く違った活動になっています。ある意味アトランタの韓国人クリーニング店の「星」になっています。この違いは一体どこから来ているのでしょうか?
こちらの社長様はHanさんとおっしゃいます。1987年にこのお店を買収してクリーニング業をスタートしました。ちなみに1982年にアメリカに移民してきたそうです。その当時はドライ機にアイロン台2台だけでのスタートだったようです。当時のお店はこの写真の真ん中の入り口になっている白い建物だけだったのですが、現在は左のレンガの部分、右は写真に写っていませんが同じレンガの部分まで拡張して立派な工場になっています。
(写真の中央にいらっしゃるのがHan社長、左は代理店のKim社長)
中を見てみますとドイツ製Veitのアイロン台が7台もありました。仕上げ機もあるのですが、最終的に手仕上げという社長の意思がとても強く出ているやり方でした。しかし、普通に丁寧な仕上げを志すのは多くの人々でも考える事です。このお店が他の韓国人クリーニング店と違った事は「誰を顧客にするか?」だとすぐに感じました。実際にこのお店はたったこの1店舗だけ、外交もやらずになんと売上が3億もあるのです。すごい売上です!!訪問している間だけでも何人のお客様が来店されたでしょうか?そのほとんどが地元のアメリカ人だったのです。このお店がある地域はアトランタのBuckheadというとても高級街です。そこで利用している人々は皆さん高級層です。まず、Han社長の成功は「ターゲットが高級層だった」事だと言えるでしょう。高級層をターゲットにBuckheadを敢えて選んだ、となればすごい読みと言えるでしょう。(そこまではとてもじゃないけど聞けませんでした・・・)
そこでVeitの仕上げ台を使って徹底的に品質を追い求めた、というのは「顧客の選定」をして「顧客のニーズ」をしっかりフォーカスした事に他なりません。Veitの仕上げ台はHan社長が考える品質を出す上でどうしても大切だそうです。そのこだわりを持ち続けた事がまず一つ。そしてお客様だけでなく、取引先とも太く長い関係を作っていることがもう一つの理由と言えるかもしれません。他の韓国人はとりわけ価格の事ばかり言います。安く買えるところばかりを考え、人間関係を第一に考えないところとは大きな差です。彼は全く違い、相見積もりをせず、その代理店が第一と考えたモノを信頼してそれにお金を払うのです。その代わりその代理店やメーカーが彼のニーズに相反した対応をしたらもうその関係は終わってしまいます。まるでアメリカ人の購買心理と全く同じ事をやっているのです。
儲かる理由はどうもここら辺にありそうです。やっている事や設備などに大きな差があるわけではありません。やはり経営者の意識なのだと思います。
皆さんはこれを読んでどう考えられるでしょうか?日本も世の中が変わってきました。もうモノを買う時代ではありません。人を選んでパートナーを周りにどれだけ置くかによって安定経営が図れる時代になってきています。是非ゆっくり考えてみてください。