2年ぶりのアメリカ訪問

2月14日、私は2年ぶりに成田空港に来た。最後に成田空港に来たのは2020年3月9日、ニューヨークにお客様をお連れした時だったのですっかり空港のレイアウトなど忘れてしまっていた。今回、飛行機に乗るためにはアメリカ政府からの要請で出発の24時間以内にPCR検査を受けて陰性証明書を持っていないとチェックインできない、という制限がある。成田空港にPCR検査センターがあると言うのでそこで受ける事となっていた。しかし検査から証明書発行までに3〜4時間かかる、と言うことから私は朝2時過ぎに家を出て4時の予約でPCR検査を受けたのだ。証明書を頂くまではどこかで過ごさなければならない。開いているお店は吉野家だけ。こんな朝早くから牛丼食べて4時間も過ごせるはずもない。仕方なく到着ロビーの開いている席で時間を潰すしかなかった。
午前8時にようやく陰性証明書をもらい、チェックインカウンターへ向かった。残りの書類も全て準備しており、チェックインを無事に済ませることができた。そこから久しぶりのJALのラウンジに向かった。中を見たらすっかり様変わりしているではないか。感染対策がしっかり施されているのと非接触アプリで食事などの注文をできるようになっており、安心を提供するためにいろんな工夫をこの2年の間でやってきたのだな、と改めて感じる。ワインなどは自動サーバーで提供するようになっている。これは確かに安全だとは思うが何とも味気ない。
それにしてもなんと人の少ない事か!ラウンジにも20〜30人くらいしかいない。寂しい限りだ。出発便も昔の様な便数もないので無理はない。63番搭乗口からだったのでラウンジからゲートに向かって歩いた。ほとんどのお店が閉まっている。まるでゴーストタウンだ。これがコロナ禍の航空事情なのだろう。多くの仕事がなくなってしまっている。一日も早くコロナが収束に向かい、多くの人々が自由に海外渡航できる状況になってくれることを心から願った。

成田空港のショッピング街。まさにゴーストタウン。

2年ぶりの国際線。胸が高鳴る。この飛行機に乗ったらアメリカに行ける。11時間のフライトであったが全く長く感じなかった。飛行機はボーイング777-300。JALが保有する一番大きな機材だが乗っていたのはたったの30人。これもまた悲しい現実である。機内で客室乗務員の方々とお話しをしたら彼女達はアメリカでの滞在中にホテルから一歩も外に出ることが許されていないらしい。帰りの飛行機まで部屋から出ることも許されず、食事も部屋で一人で食べなければならないという。こういう現実を聞かされるとどんな仕事でも大変なのだな、と脱帽してしまう。少々の不便で文句を言っている場合ではないのだ。

こんなにワクワクしたフライトもない。一番で乗り込んだ。
機内から撮ったシカゴの街。ミシガン湖はまだ凍っていた。


シカゴに着いた!JALの現地係員の皆さんとも2年ぶりの再会。思わず大きな声で再会を喜び合った。やはり知り合いとの再会は本当に嬉しい。到着ロビーでは先にシカゴ入りしていた梅谷専務に迎えに来てもらった。二人で久しぶりのSaknosha USAを訪問する。既に現社長であるWes Nelsonさんが会社に来ていた。彼とはTV会議でいつも会っていたがやはり直接会うと感慨深い。思わず抱き合った。ホントに嬉しい。続々と現地スタッフが出社してきた。みんな元気そうだ。本当に良かった!皆が元気そうな姿を見れただけでも今回わざわざ来た甲斐があった。

皆で事務所でパーティー。久しぶりに皆に会えて感慨深い。

 

さて、本題に入ろう。まずシカゴに入って感じた事は物価の上昇だ。びっくりする程の上昇率である。ガソリンが4ドル/ガロンまで上がっている。1ガロンは3.785リットルなので現在の為替($1=115円)で考えると121.53円/リッターと言うことになる。この数字を見ると「なんだ、日本より全然安いじゃないか!」と感じる読者がいるだろう。しかし、私が最後に訪問した2020年2月の時点では$2.50/ガロンだったのでびっくりだった。私は今回の訪問でゴルフクラブを買って帰ろうと思っていた。アプローチ用のクラブを数本買おうと思っていたのだ。私は左打ちなので日本にはあまりラインナップが揃っていないのに対してアメリカではとても豊富なのだ。しかも価格はこちらの方が断然安い!コロナ前で大体$120/本だったので楽しみにしていた。しかし現在の価格は$150〜160とざっと20%以上の値上がりをしていたのだ。

シカゴのガソリンスタンド。2年前は$2.50だったのがもはや$4.00。すごい高騰だ。

 

最後はレストランの価格を紹介したい。御覧の方々と食事をしたときの事だ。右から2番目がZengeler CleanersのTom Zengeler社長、真ん中がCD One Price CleanersのRafiq Karimi社長である。シカゴを代表する2つのクリーニング店と一緒に食事できたことはとても良かった。彼らの事情については次回のブログで紹介しようと思っているのでお楽しみに。
とても楽しく食事はできたのだが価格をみてびっくりした。私はこのステーキを頼んだ。さて、これがいくらだったと思うか?これは14オンス(おおよそ400g)の熟成アンガス牛のサーロインステーキなので一応高級ステーキではあるのだが、税金、チップを含めるとなんと8800円なのだ。このように全ての価格が信じられないくらい値上がりしていた。

久しぶりの会食。本当に充実したお話しができた。

 

とても美味しかったアンガス牛のサーロインステーキ。しかし価格にびっくり!

 

この要因の一つになっていたのは人件費である。現在、シカゴのあるイリノイ州の最低賃金は$12/時だが2024年までに$15/時になると言われている。しかし実際は$20/時の求人広告が多い。たまたま私がシカゴに到着したときのゲートがTerminal 5なのだがその到着ロビーにポップコーン屋さんがあった。そこでの求人広告が$20だった。後にCD OneのRafiq社長とお会いした際に人件費の件で話しを聞いたところ「$20の時給ではなかなか集まらない」と言ってた。なんと言うレベルだろうか?これがアメリカの現状なのだ。

こんな賃金の高い国でクリーニング業は本当に成り立つのだろうか?どうやって成り立たせているのだろうか?これが今回の私の最も知りたい内容になっていた。次回のブログで先に紹介した2つのクリーニング店にフォーカスを当ててご紹介していきたいと思う。