7月も昨日で終わってしまった。なんと時が過ぎるのは早いのだろうか?今年の梅雨は前半はあまり降らないと思っていたら後半は脅威的な豪雨に見舞われ、多くの場所で土砂災害などの被災にあった。心からお見舞い申し上げたい。
7月中旬にはおおよそ梅雨が明け、本格的な夏を迎えている。そしてなんといってもオリンピックがスタートし、本日は既に10日目がスタートしている。開催されるまではオリンピックの開催是非が毎日のように報道されていたが、いざスタートしてみたらどうだろうか?やはり多くの皆さんがテレビに釘付けになっているのではないだろうか?私は開催にそもそも否定的ではなかったのだが外国人の来日によって更に感染が拡大する懸念は持っていた。しかしそんな事を言っていたらなにもできない、と思っていた。実際に6月から出張を積極的に行っているし、7月も中国地方を訪問してきたのだ。感染防止に最大限協力しなければならないのは当たり前としながらも行動を自粛していたら自分の事業までが潰されてしまうのだからそこはなんとかしないといけない、と思っていた。話しはオリンピックに戻るが、日本は柔道を中心に多くの金メダルをもたらしており、確実に日本の皆さんには大きな活力になっているのではないだろうか?海崖の選手もリスクを恐れずに日本まで来て精一杯試合に臨んでいる姿を見ると「開催できて本当に良かった!」と思える。一方で毎日PCR検査を実施している結果、試合前に陽性反応が出たことで出場辞退となってしまった選手においては本当にかわいそうでならない。全ての選手がこのオリンピックに照準を合わせてきたのにコロナウィルスによって出られないという結果はとても辛いだろう。
さて、オリンピックの話しはこのくらいにしておいて本題に入ろう。前述のとおり、私は中国地方を4日間で訪問してきた。岡山、広島、山口の3県だ。旅を計画したときには受入OKだった先が直前で東京の感染率拡大と緊急事態宣言の再発出により訪問受入の拒否もいくつかあったので予定通りの旅にはならなかったのだが、おおよその訪問ができたのは本当に良かった。訪問を受け入れてくれた各社には心から感謝申し上げたい。
今回の訪問先の一つであるクリーニング店では既に私物洗濯の仕事を20年近くやっていて現在はその分野でとても助かっている、という話しを聞いた。このモデルは現在のヨーロッパモデルといえる。ホームクリーニングだけではやっていけないので産業クリーニングを取り込む事で収支を合わす、という方法だ。その会社の社長に話しを聞いたところ「私の父が始めた事だったのだが当時は何でこんな事をやらなければならないの?と本当に思っていた。それが現在となるとこれがなければ我が社はどうなっていただろうか?と本当に感謝している」とおっしゃっていた。これはまさに一つの生き残りのビジネスモデルと言える。ホームクリーニングともう一つの軸を作っておいた方が良いのでは?という仮説はまさに現実的と言えるのではないだろうか。
さて、本業においても今回の出張で感じた事は前月までに感じていたことを再確認したことだ。訪問したある会社の社長に話しを聞いたところ「我が社の売上はコロナ前の20%以上の下落でこの流れは来年2月まで続くだろう。それまではもう我慢するしかない!」とのことだった。今回、私は岡山まで飛行機で行き、帰りも飛行機で北九州から羽田まで帰ってきた。私は一応ジャケット着用していったのだが、私以外にジャケットを着用して飛行機に乗ってきた人はほぼ一人もいなかった。確実にドライクリーニング衣類が減っている。これをどうしなければならないか?というお題目を訪問先にも同じように問いかけた。前回までのコラムをお読みの皆さんは既に私の方向性をご存じと思うが、私はランドリー衣類の奪取を積極的に行うべきと説いている。訪問先の反応はそれぞれだが概ねその方向性については納得していた。
ただ多くのクリーニング店がそれまでシャツ類を集めようとしなかったわけではない。今までトライしていたのだ。しかし思ったほど顧客から賛同を得て集めることができなかった。私はこの理由についていくつか理由を感じている。いろいろ事情はあると思うが大きな理由は下記の2つだ。
1.顧客がポロシャツやTシャツをクリーニングに出す衣類ではない、と思い込んでいる
2.クリーニング店がこれらの衣類を本気で集めようとは思っていない
1についてはもはや日本人の習慣とも言える。世の中の人々がこれらをクリーニング店に出しても自宅で洗濯しても変わらないと思い込んでいることだ。2については1の事実に従ってクリーニング店はどんなに努力しても集めることは不可能だ、と諦めていることだ。ただ時代は変わっている。昔よりも現在の方がはるかに暑くなっている。故に新しい顧客獲得を考えると今まで集められなかったシャツ類を集めようと努力することは大きな可能性と確信している。
集合包装においても概ね賛同を得た。訪問先では皆さん「なるほど!」と思ってもらえたようだ。ただ運用面をどうするのか?と問われると各社やり方がそれぞれ変わるわけで、各社が本当に取り組んでみよう、という気持ちにならなければこれも結局は上手く行かないだろう。
ほぼすべてのクリーニング店で下がりゆく売上に対して明確な対策はとれていない。もちろん、不採算店の閉鎖や工場の統合など基本的な対策はしている。しかし、下がった売上に対するV字回復プランを持っているところはないのが現状と言える。まだそこまで考える必要がないのか?もしくは何をやれば良いのかわからないのか?それぞれの会社にそれぞれの事情を抱えているのは事実と思うが、できるだけ早く対策を策定し、実行してもらう事を願う。
8月末のコラムについてはスキップしたい。お盆休みもあるので出張を含めた行動がとれないと予想している。また9月末にそれまでの活動で思った事を書いてみたいと思う。