今後のクリーニング業で考えるべき事

皆さん、こんにちは。

前回はイタリア、イギリスを訪問した上での話をさせていただきました。それからというともっぱら国内を回り続けておりました。一昨日はなんとニュースにも出た金沢におりまして・・・、すっかり大雪の餌食になりました。なんとか東京に帰ってくることはできたのですが、つくづく「東京という町が如何に平穏なのか!」という事を実感しました。

 

さて、この2週間もの間に国内のいろいろなお客様を訪問してきました。とても調子の良いクリーニング店さんもあればとても苦しそうなところもありました。問題もそれぞれ抱えていらっしゃるようで、時には後継者問題、雇用の問題、利益率低下の問題などなど聞かせていただきました。

これらの話をまとめてみると「雇用の問題と利益率の問題は深く相関している」と感じることが多いのです。当たり前といえば当たり前です。何故ならば売上も利益も人間が上げているからです。三幸社は機械を作っておりますが、三幸社の機械で利益は直接上げる事はできません。やはりその機械を動かしている人々のメンタリティーで決まるところがとても多いのです。

 

日本では労働者の確保がだんだんと難しくなってきております。人件費がどんどん値上がりしております。そうなると働いてもらう人を選べる状況ではなくなってきます。そのときにどんな工場にすれば良いでしょうか?究極は「職人に頼らない工場作り」なのだろうと思います。洋服はそんな簡単ではありません。職人いらずの工場ではまず上手くいかないでしょう。ただしすべてを職人に任せているようでは上手くいきませんし、できるところはオートメーションしなければ商売として成り立たなくなるでしょう。

さて、どんなところを一番オートメーションにすれば良いでしょうか?それは間違いなくワイシャツ仕上げなど水洗い、いわゆる売上が低いところです。何故ならば「一番売上として低く、しかも一番手間がかかるから」です。しかし現在はまだまだボリュームが集まっているのでフジ型(いわゆるカラーカフス、スリーバー、ボディの3点セット)が都市型であればあるほどその需要は消えていません。しかし、クリーニング需要は落ちています。そうなると考えるのは「人時生産性」です。それを求める時代がやってきています。これはアメリカの歴史がすでに我々に教えてくれています。彼らも1960年代に同じ事がありました。この間にいろいろなオートメーションを進めていました。当時は5ピースのProsperity(プロスペリティ)でした。それが3ピースのAjax(エージャックス)になりました。人々は労働力を減らしたかったのです。我々はまさに今が当時のアメリカの60年代と同じようになっています。すでに日本は3ピース、それを三幸社型の2ピースに変わろうとしています。ちなみにアメリカはすべて2ピースに変わってきているわけです。

 

さて、皆さんは今後どうしようと思いますか?今のパートさんがやりやすいだけでそのまま同じやり方で10年続くと思いますか?地域によっては続くと思います。しかし地域によってはもはや続かないと思います。さて、皆さんはクリーニング業を続けていくでしょうか?あまりに売上が落ちてくると「もう辞めようか!」と思うはずです。その前に考えておくことがあると思います。それは利益率です。

どうやって高めていきましょうか?それをしっかり考えてみてください。私が提案するのは「人時生産性」です。