ワイシャツは洗い方が大切です!

みなさん、こんにちは。

みなさんはゴールデンウィークをいかがお過ごしだったでしょうか?たぶん、ほとんどのクリーニング店の方々は「休んでいる暇がない!」というくらい洋服が集まっているのではないでしょうか?一年に一度の書き入れ時でしょうから頑張って売り上げていただきたいですね。私は・・・、すいません、しっかりお休みをいただきました!

さて、今回は洗いと温度、そして仕上げに対する影響などをお話してみたいと思います。先月、アメリカのClassic Cleanersを訪問してきたお話をさせていただきました。その時、彼らはHoffmanの古いワイシャツプレス機(25年前の機械)からの入替をしたのです。昔の機械ですから当然スリーブプレス機も含まれており、いわゆる3ピースモデルからの入替でした。

ちなみに三幸社のワイシャツプレス機はカラーカフスプレス機とボディプレス機の2台になりますのでスリーブはプレスせずに熱風で膨らますシステムになっているのは皆さんご存知ですね。

ここで一番大切なのはやはり洗濯機のプログラムです。我々は昔のワイシャツでは気にならないことがあったのですが、現在のワイシャツでは気にしなければならなくなりました。それは温度コントロールです。なぜならば最近は綿ポリ混紡素材(Poly Cotton)がとても多いからです。

一度実験してみてください。薄いプラスチックがありましたら、それを45度以上のお湯に浸してみると分かります。それまでまっすぐだった形状が急に柔らかくなるのです。それに冷水を浴びせると一気にその曲がった形状で固められてしまうのです。

ということで卵が入っていたプラスチックで実験してみました。小さく切ってお水とお湯の両方でやってみました。

次に50℃のお湯につけてみました。

結果は以下の通り。

上のプラスチックがお水だけでつぶしたモノ。下のプラスチックがお湯でつぶして水をかけたモノ。温度だけでここまで変わってしまうのです。

綿ポリのワイシャツを洗う時にはそのことを考えてプログラムを組まなければならないのです。例えばワイシャツを本洗で55℃の温度で洗った後に排水と脱水をする場合、必ずドラム内のお湯の温度を40℃くらいまで下げてから脱水しなければいけないのです。55℃のままで排水と脱水をしてしまうとその時にドラム内で発生するねじれで出来る皺がそのまま固まってしまい、なかなか取れない皺になってしまうのです。

実際にClassic Cleanersさんも洗いにおいては同じ問題を抱えていたのです。温度を下げないでそのまま脱水したワイシャツを弊社の機械で仕上げたら袖にこんなに皺が残ってしまいました。

そこですぐに洗剤メーカーの営業マンを呼んで、洗いのプログラムを変更してもらいました。アメリカでは「ソープマン」と呼ばれる洗剤メーカーの営業マンが洗濯機のプログラムを専門的に管理しています。プログラミングは彼らの仕事なので我々が仮に動かし方を理解していても安易にタッチしてしまえば彼らとの関係が悪くなってしまいます。だから我々は彼らが直してくれるまで待つしかないのです。

プログラムが新しくなったワイシャツで仕上げたら見事に綺麗になりました!

昔の綿100%のワイシャツを洗う時にはここまで気にすることはなかったのですが、素材の変化によって洗い方が変わらなければならなくなったことは是非ここで覚えておいてもらいたいと思います。

我々はプロとしてお客様のお洋服を綺麗にすることが最も大切な仕事なのですからこういう知識は常に頭に入れておいていただければお客様に信頼をいただくことができるでしょう。

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