みなさん、こんにちは。
8月18日と19日にロサンゼルス郊外にあるロングビーチというところで地域展示会がありましたので私も参加してきました。2日間でおおよそ800名の来場というわけですから決して多い展示会とは言えませんが、今年行われた他の地域展示会に比べれば比較的参加者の多い展示会だったと言えるようです。
ただ会場を見回してみても決して新しい展示物があるわけでもありません。来場者が少なくなるのも「新しいソリューションがなかなか出てこない」のが一つの原因と言えるかもしれません。
ここカリフォルニア州はアメリカで一番環境に厳しい州として知られています。実際にクリーニング業界に対してはパークロルエチレンの使用が2020年で全面的に禁止されることが決まっております。これも残念な話ですが汚れを落とす事と環境に優しい事は全く逆の話で、政府が環境の事ばかりを優先するとクリーニング、特に油汚れなどのクリーニングにおいてはやりづらくなってくるのです。特にカリフォルニア州ではNone Toxic(無毒な)という言葉が先行してしまっているのでどうしてもドライクリーニングについてはToxic(有毒な)というイメージが着いてしまっています。非常にネガティブな言葉なので商売にもかなり影響してしまっているのがカリフォルニア州でクリーニング店を行っている人々の頭痛の種なのです。
今回の展示会で新しかったのはカリフォルニア州政府がウェットクリーニングをスタートする業者に対して最大10,000ドルを補助するという条例が出たことです。実際にウェットクリーニングにおけるメーカーのプロモーションはいくつか出ておりますがまだまだ目立つ存在にはなっていないのが現状です。何故ならば「ウェットクリーニングは手間がかかるし、洋服が縮むリスクがある」という理由があるからです。ただ、州政府が補助金を出すことで多少の投資意識が市場に生まれる可能性はあります。これからどのように市場がウェットクリーニングに注目していくのか?これは楽しみです。
ただウェットクリーニングがすべてを解決出来るわけではありません。ドライクリーニングも必要です。それをもっと世の中の消費者に伝える必要があります。それをわかってくれた上で我々業者がプロとして汚れた洋服を綺麗にする事を考えていく事が必要なのでしょう。
単に「ウェットクリーニングは面倒くさいし縮みのリスクがある」と敬遠するのではなく、両方を駆使してどんな汚れに対しても綺麗に出来るクリーニング店を目指してもらいたいと思いました。