ウェットクリーニングから見る日本人のアイデア力

皆さん、こんにちは。

今回は14日からイタリアに行き、18日にイギリスに移動してきました。明日のフライトで日本に帰国する予定です。

三幸社はイタリアの最高級ブランドであるBrioniのシャツ工場に最終仕上げラインにウチの機械が使えるかどうか、で挑戦しています。東京だと銀座と新宿伊勢丹に入っています。一度お店に行って彼らの価格やその品質を是非見てみてください。とにかく価格にびっくりしますが、そういうメーカーが我々の機械を使おうとしている事に我々も光栄に思っています。またこのアパレルの話はしたいと思います。

 

さて、今回はイギリスに来て2件のクリーニング店を訪問しました。両方ともウェットクリーニングに前向きに取り組んでいる先です。しかし、彼らの気持ちはやればやるほどネガティブになってきています。それは何故でしょうか?

日本にはいろいろなウェットクリーニングの方法があります。最近はTOSEIがマイクロバブル洗浄機を作っていますが、横浜のエイブルhcさんや小羽皮革さんがそれぞれマイクロバブルを利用した水洗いを下請けでやっています。またオリタニさんの水洗い仕上げマットや不二ドライの岡崎社長が考案したマジックスピン、または新村商事が開発したスーパーバイオアルファなどいろいろなメーカーがそれぞれのやり方でウェットクリーニングの可能性を広げているのが現状です。

一方、ヨーロッパはISOであり世界の絵表示の中心となっている事からどうしても「洗濯機で洗い、タンブル乾燥をしないとウェットクリーニングではない」という基準にとらわれて未だにドラムを回し、高い洗剤を使って縮みから逃れようと頑張っているようです。しかし高い洋服であればあるほど縮みの問題は消えず、未だにどうしたら良いのか?とみなさん悩んでおられます。

 

ここで考えておきたいことは「基準に従ってやるだけ」なのか、それとも「安全にそしてキレイにするためには自分で新しい考えを作ってみる」のか、これがポイントのような気がしました。日本人は本当にいろんな人が「どうしたらもっと良くなるのか?」を考えるプロのように思います。だから世界で有数のビジネス大国になっているのでしょう。他の国が日本と同じようなメンタリティーで物作りに奔走していたら日本はここまで世界に台頭していなかったでしょう。

このウェットクリーニングの基準はあくまでも基準、それでやっても洋服が縮んでしまえば意味がありません。人々は「基準通りにやってもらいたい」のではなく「安全にキレイにしてもらいたい」のです。ならばやり方まで決められるよりは自分の責任で「どうやったら一番安全にできるか?」を模索した方が得です。ここに日本人の力をとても感じました。

私が上記で記したメーカーやソリューションはそれぞれが良いモノを持っています。三幸社は不二ドライの岡崎さんが考案したマジックスピンの受託生産をしていますのでこれをヨーロッパやアメリカにぶつけてみたいと思っています。実際にこのお話しをしたら両方のお店の社長様も「是非実物を見てみたい!」というわけですからもしかしたら入れ食いになるかも?(笑

いやはや日本人のアイデア力には脱帽です!!

新年明けましておめでとうございます!

今年最初のブログになります。今年もよろしくお願いいたします。

年末に私は自分のFacebookページに年末のメッセージとして「ドライ品が減っている現実に対してどのようにお店の運営をしていくのか?」という事と「安く買う事と自分のビジネスを取り巻く人間関係のどちらが将来大切か?」という事についてコメントさせていただきました。

いろいろな人からコメントをいただきました。その中でもウェットクリーニングへの取組については「やはり考えていかなければならないか〜」とか「やらなければならないのはわかっているんだけどなかなか工場でのイメージが出来なくて・・・」などなかなか踏み切れない心境を綴ったコメントがありました。事情はよくわかります。結局は投資が伴うのでそう簡単に収益に結びつけることが出来ないという意識からなかなか進める気にならないのでしょう。しかし最終的に自分から何か新しい事をやろうとしない限り現状の困難から脱出する事は出来ません。是非やってみてください。

それから今後の人間関係は本当に大切になってまいります。一番大切なのは情報です。その情報が手に入らなければどんなに安く何かを買ったとしても活かせません。モノで商売するのではなくコトで商売する時代、そのコトとは人間関係とそこからもたらされる情報が大切です。今後の皆さんのご商売においてどんな人間関係とそこからやってくる情報を手に入れるか?を是非考えていただきたいと思います。

 

さて、今年は私が音頭をとらせていただいておりますPTBプロジェクトで改めてワイシャツ縮み問題を考えてみたいと思っております。市場ではさらに形態安定シャツが目立ち、ヨーロッパのようなスリムカットシャツも増えてきています。先日私は北海道に行ってきましたが、どんなところであっても基本的にワイシャツは集まるし、集めなければビジネスにならないのが日本のクリーニング業の特徴と言えます。

そんなワイシャツを今後も安定的にとっていこうとしたときに「本当に今までのやり方を続けていって良いのか?」という事を考えてもらいたいと思います。ずいぶん前のブログで書きましたが、例えばファブリーズ。あれは紛れもなく彼らの宣伝内容に我々が翻弄されているわけですが、あの嘘のような宣伝に対してどんな伝え方を我々はすれば良いのでしょうか?やはり「こうやらないとキレイにならないよ!」という宣伝をする必要があるわけです。

そこでワイシャツですが、現在のような高温洗い、高温プレスでは確実に縮む素材を使っているのにそのままで良いのでしょうか?そういうこともしっかり考えて技術の改善、そしてプロモーションの改善を図っていく必要があります。三幸社ではすでにコテ面温度を中温に下げる事が出来る技術を確立しております。しかし、同時にその技術がお店を使っているお客様のワイシャツを長く心地よく着てもらう事が出来る、という宣伝もしなければなりません。一連のソリューションをPTBメンバー全員で提供していきたいと思っておりますので是非ご期待ください。

 

私は14日からイタリアとイギリスに行ってくる予定です。第一回目海外ネタはヨーロッパ紀行となりそうです。是非お楽しみに!