皆さん、こんにちは。
今回はインドネシアの最高級クリーニング店であるJeevesを紹介いたします。インドネシアに来たら必ずお邪魔するところです。JCPCの皆さんはすでにご存知のところですがやはりクリーニングの原点を常に考えさせられる先です。今回はわが社のタイ工場から3名インドネシアに来ていたので彼らに学習させることを目的としてお邪魔してきました。
中央にいらっしゃるのがMarcus社長です。私はインドネシアを一緒に旅している人には必ずと言っていいほど訪問してもらっております。
なぜならばいつも訪問すると必ずと言っていいほどクリーニングに対する心構えを考えさせられるからです。ジャカルタは残念ながら水がとても悪いのです。Jeevesではその水を浄化するのに相当な投資をしております。結果としてTDS数値をどれだけ抑えられるか?がキレイな水洗いをするかどうかのポイントとなります。TDSとはTotal Dissolved Solidsと言いまして総溶解固形物と言います。数値が高ければ不純物が多くて汚い水と言われてしまいます。参考値としてペットボトルのお水は55くらいでした。ちなみにジャカルタの水道水では270を超えてしまうのです。しかしJeevesのお水は7しかありません。この数値は驚くべき数値です。ちなみにこの水、飲んでおいしいか?と言われるとそうではありません。ミネラルが入っていないからです。
上の写真は右がJeevesで処理したお水。左はジャカルタの水道水です。どれだけ不純物が入っているかわかるでしょう。
こちらの左はペットボトルのお水。そして右はJeevesのお水です。ミネラルに鉄分が入っているのでこういう色になるのです。それぞれ電気を通してどれだけ鉄分が反応するか?を実験してみました。
しかし洋服の洗濯にミネラルは悪であることをJeevesは理解しています。だからその水質管理をしているわけです。この環境だからこそ綺麗に洋服を洗うことができるのです。そしてPH(ペーハー)ですがこれも7を上回ればアルカリ性、7を下回れば酸性となるわけですがが、彼らのお水はこれもしっかり7と中性を保たれているのです。これが綺麗に洗う源となります。日本は水道水のレベルが高いのでそのまま使っている人も多いと思いますが、今一度みなさんの水のあり方を考えてみるべきではないでしょうか?
洋服に対する考え方も立派です。彼らの工場にはいつも値段の高い洋服が入ってくるのでボタンなどアクセサリーの品質管理もとても大切に行っております。アクセサリーが損傷しないように事前に洋服から切り離してクリーニング後に再縫製するわけです。
この写真はお洋服から切ったボタン類です。洗濯が終了したら再縫製するのです。なかなかこれだけの手間をかけるクリーニング店はいないでしょう。
施設も本当に綺麗です。すでに20年が経過している本社ですが、工場も含めていつもピカピカの状態です。人に魅せる工場を常に意識して工場運営をしていることが良く分かります。
上の写真はちょうど社長が皮の椅子をクリーニングしている工程を説明しているのですが、気にしてほしいのは工場の床です。大理石です。綺麗ですよね。そして下の写真はワイシャツの手仕上げ工程です。機械も含めてとても綺麗です。働いている人々のユニフォームもとても綺麗なのが印象的です。
そして彼らの価格は・・・、あまり詳しくは聞きませんでしたがワイシャツは一番安くて700円から800円だそうです。日本の価格から比べると確かに高いでしょう。しかし立派に売上を上げています。ただ彼らが相手している顧客は我々日本人の平均からすると想像もできない高級層なのです。Jeevesの強みは顧客を絞り、その顧客のニーズをしっかり聞き、彼らのサービスを通じて大満足を提供することができることです。そんな高級層を相手にしているから商品のラッピングも素晴らしい!
何かだけが良くてもダメなのです。すべてがパーフェクトじゃないとだめなのです。それが高値で売れる秘訣です。それには大きな力が要ります。だから誰もができることではないのだと私はいつも訪問して再確認しています。それぞれのクリーニング店にはそれぞれの顧客がいるのでこれが全てではありませんが、この考え方は基本的にどの顧客に対しても必要な考え方です。是非参考にしてみてください。