綺麗に洗うとは?

皆さん、こんにちは。現在、ヨーロッパに移動中です。

そろそろ何かアップしないといけないな、と思っていたのですがちょっと最近気になっていたことがありました。それは「綺麗に洗う」ということです。結構世の中では嘘ギリギリの宣伝で人々を間違った方向性に進めている商品やサービスがあります。まずは世の中の商品について考えてみましょう。まずはP&Gで販売されているファブリーズという商品です。

https://www.myrepi.com/tag/myrepi-febreze

このホームページをご覧になって皆さんは本当にこのファブリーズが洋服を洗っていると思いますか?あれですべての物が綺麗になるのであれば世の中の革命です。汚れがついているのにそれをスプレーで吹きかけるだけで綺麗になるわけがありません。目に見えない汚れとはむしろ水溶性の汚れ、いわゆる汗や皮脂などです。しかしP&Gではこのような汚れがファブリーズで落とせる、と主張しているように見える宣伝です。実際にそんなスプレーで汚れが落ちると本当に思うのでしょうか?洗っていないのだから無理です。

それではこちらはどうでしょうか?

http://japanese.engadget.com/2014/07/29/10-swash-p-g-whirlpool-1-499/

これはSwashという洋服専門のメンテナンス器械と書かれています。これもファブリーズと同じ原理です。メーカーが一緒なのだから考えも一緒です。この器械の原理はよくわかりませんが、蒸気も一緒に発しているのかもしれません。それによってシワを伸ばすことはできるでしょう。

しかしながらこれも洗っていることにはなりません。これもファブリーズと同じやり方なのです。私はこの加工を「マスキング」と呼んでいます。汚れが発する臭いをこのスプレーにて表面からカバーすることで防ぎ、しかも除菌しているということを主張しているようです。天下のP&Gがやっているわけですから多くの消費者がこのような宣伝によって信じることはやむを得ないところでしょう。ただ我々は人々に「本当に綺麗にすること」で商売にしているわけですから、我々はこれを見逃すわけにはいきません。これは洗ってはいないのです。だから汚れが落ちているわけではないのです。これを消費者にもっと知らせる必要があります。

ではクリーニング店では本当に最高の状態でお客様の洋服を綺麗に洗っているのでしょうか?私はこれについても疑問に思っています。なぜならばほとんどのクリーニング店に蒸留器が設置されていないからです。実際に私は昔、あるところでセミナーを開催したのですがそこで蒸留器の必要性を訴えました。しかし、その話を聞いていたクリーニング店も販売店も同じように「蒸留器なんて使っている人はいないよ!その考え自体がおかしいのではないか?」と言われた記憶があります。その時は日本のマーケットについてあまり知らなかったこと、そして洗濯に対する知識が十分ではなかったことから「そうなのか・・・」と自分の考えを改めた思い出があります。

しかしそれは大きな間違いでした。良いクリーニング店はいつもすべての溶剤や水に対して最高の環境を維持しているのです。だから綺麗にできるのです。価格はお店の設定ですから我々が文句をいうところではありません。しかし、「綺麗に洗う」ということは最高の状態を維持することではないでしょうか?日本のクリーニング店全般にはとても希薄なのだ、ということをここで申し上げておきたいと思います。

やはりファブリーズやSwashなどには負けてもらいたくありません。是非、蒸留器を利用して最高の品質でお客様のお洋服を洗ってあげてください。